蔚山科学技術大学、炭からメタンを生産する技術開発=韓国(画像提供:wowkorea)
蔚山科学技術大学、炭からメタンを生産する技術開発=韓国(画像提供:wowkorea)
天然ガスの主要成分であるメタンを炭から生産する技術が、韓国の大学で開発された。

 韓国南東部のウルサン(蔚山)市に位置し、研究中心の国立大学である蔚山科学技術大学(UNIST)は14日、エネルギー化学工学科のペク・ジョンボム教授チームが、ボールミーリングという合成法を利用して、炭化水素ガスの生産技術を開発したと発表した。直接木を燃やして作った炭を原料に使い、炭化水素の一種であるメタンの生産に成功したことで、実際に商業化への道も開けてきた。

 ペク教授は「ボールミーリングの際に、金属玉が衝突する力を利用して、簡単に炭を分解しメタンガスを製造することができた。炭と類似の石炭をガス化する生産工程に応用できる」と説明した。

 この合成法は、小さな金属玉が入った容器に炭素原料と水素、触媒(化学反応を速める物質)を入れた後で、容器を回転して反応させる方式だ。玉が衝突する力で炭素原料が触媒と反応し、強い炭素間の化学結合が離れる。分解された炭素に水素が付着して、メタンを合成するという原理だ。

 研究チームは新たに開発した合成法により、40℃の低温と一般的な大気圧条件でも、高い収率で(99.8%)メタンガスを合成することができた。これまでの炭化水素製造工法は、600℃の高温でも収率が80%水準だった。

 これは最も遅い化学反応の一つである「炭化水素ガス化の反応速度」をボールミーリングの機械化学的エネルギーを利用して、大きく改善したために可能になったと研究チームは説明している。化学反応の速度が遅くなれば、競争反応に押されて多くの副産物が生じ、収率が下がるだけでなく、エネルギー供給のためには、高温の反応条件が必要になる。

 特に、自家製炭を原料にした大容量(15リットル)のボールミーリング工程でも、電力比のメタンガス生産効率が、小規模な実験と同様のレベルで高かった。

 第1著者として研究を主導した同大学エネルギー化学工学科のGao-Feng Han博士(現中国・吉林大学教授)は、「炭化水素ガス化反応は、炭素関連反応の中で最も扱いにくい反応だ。高温での大規模な工程が必要で、高い収率を持つのが困難である。しかし、簡素化したボールミーリング工程で、これを解決した」と説明した。

 今回の研究は化学分野の著名な国際学術誌「アンゲヴァンテ・ケミー(Angewandte Chemie International Edition)」に掲載された。今回の研究は、科学技術情報通信部のリーダー研究者支援事業をはじめ、優秀科学研究センター(SRC)、U-KBrand育成事業(UNIST)が取り組んだ。
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