記者会見を行う市民団体の関係者=(聯合ニュース)
記者会見を行う市民団体の関係者=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】東日本大震災により福島第1原子力発電所から大量の放射性物質が放出された事故から11年を迎え、韓国市民団体の「日本放射能汚染水放流阻止共同行動」は11日、ソウルの日本大使館前で記者会見を開き、処理済み汚染水の海洋放出の決定は「人類全体に対する核テロであり最悪の犯罪行為だ」として撤回を求めた。

 同団体は、日本政府は事故発生から11年が過ぎても汚染土などを放置しているだけでなく数百万トンに上る汚染水の放出を決定し、韓国政府に環太平洋経済連携協定(TPP)加入の条件として福島産農水産物の輸入を再開するよう圧力をかけていると主張した。 

 そのうえで、日本政府は汚染水を希釈して放出すれば問題はなく、福島産の農水産物からも放射性物質は検出されなかったと説明するが、放射性物質は自然に消えたり中和されたりすることはないとして、海洋生物の食物連鎖により濃縮され、最終的に人間が放射性物質を食べることになると指摘した。

 また、韓国大統領選で当選した保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長は同団体が送った質問への回答で海洋放出の決定に反対する立場を明確に示したとして、日本政府に速やかに立場を伝えるよう促した。

 同団体は尹氏に対し、日本政府と東京電力に透明で正確な情報公開を求めるとともに、福島産農水産物の輸入再開の圧力に対し断固として反対するよう求めた。


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