韓国次期大統領選挙に当選した尹錫悦氏が、バイデン大統領と通話している様子(画像提供:wowkorea)
韓国次期大統領選挙に当選した尹錫悦氏が、バイデン大統領と通話している様子(画像提供:wowkorea)
韓国次期大統領選挙に当選した野党第一党“国民の力”のユン・ソギョル(尹錫悦)氏は「外交関係の再定立」に乗り出した。

ロシアのウクライナ侵攻により「新冷戦構図」へと再編されている国際情勢の中、韓国は5年ぶりの政権交代により保守政党出身の大統領が誕生する。北朝鮮の挑発レベルが高まる状況で、朝鮮半島をとりまく日・米・中との外交的あいさつを始めたユン氏は、ムン・ジェイン(文在寅)政権との差別化において主要国との関係を新たに構築していくものとみられる。

ユン氏はきょう(11日)の午前10時30分、岸田文雄首相と電話会談を行なった。岸田首相は前日「ユン氏のリーダーシップに期待している」とし「日韓関係改善のため、新たな大統領と緊密に協力していく考えだ」と語った。ユン氏は大統領選における公約で、日韓関係について「1988年の “小渕・金大中宣言”の基本精神と主旨を発展的に継承する」として、未来志向的な協力関係の構築を強調してきた。ユン氏と岸田首相は、日韓関係の発展における共感を築いていくものとみられる。

またユン氏は、シン・ハイミン駐韓中国大使と会った。ユン氏は「サード(THAAD:終末高高度防衛ミサイル)の追加配置と、クアッド(Quad・日米豪印の4か国安保協議体)傘下のワーキンググループに参加する」という公約を発表するなど、対中強硬路線を予告している。中国側は対中政策の変化に対し、注意深く見守っている雰囲気である。中国は外交慣例上、相手国の首脳が当選者である場合、電話ではなく祝電を送っている。これによりシン大使は、習近平中国国家主席の当選祝賀メッセージをユン氏に手渡したのである。

これとは別にユン氏はきのう(10日)、ジョー・バイデン米大統領と20分間電話会談を行なった。この電話会談はユン氏の当選あいさつから5時間後に行なわれたものであり、初の外国首脳との通話でもあった。ユン氏とバイデン大統領は「米韓同盟は両国の経済的つながり・国民間の緊密な友情とともに、インド・太平洋地域の平和・安保・繁栄のための核心軸(linchpin)だ」と評価し、強固な米韓同盟を強調した。

この電話会談の翌日であるきょう、米韓両国は「北朝鮮が最近発射した2度の弾道ミサイルは、宇宙発射体と称した新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)試験発射準備のための一環だった」と明らかにし「国連安保理決議違反だ」と糾弾した。ユン政権体制において、米韓両国は歩調を合わせ対北警告メッセージを発信したのである。またこの日の午後ユン氏は、クリストファー・デル・コルソ駐韓米国大使と会うことになっている。

ユン氏の日・米・中との外交路線は、北朝鮮の非核化問題に対する国際社会の協力方案を論議することから開始された。ユン氏の就任後、初の外交安保舞台デビューは、5月に予定されている米韓首脳会談になるものとみられる。バイデン大統領は5月にクアッド首脳会議のため日本を訪問することから、これをきっかけに米韓首脳会談が行われる可能性が高い。

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