飲食店などの入店時には防疫パスの提示が義務付けられている。防疫パスの提示を求める張り紙(資料写真)=(聯合ニュース)
飲食店などの入店時には防疫パスの提示が義務付けられている。防疫パスの提示を求める張り紙(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、重症者と死者も急増していることを受け、政府は防疫規制を再び強化する方針だ。年末の特需を期待していた自営業者はため息をついている。

 政府は、私的な集まりの人数を首都圏(ソウル市、京畿道、仁川市)では現在の最大6人から4人に縮小し、営業時間に制限がなかった飲食店やカフェを深夜0時、または午後10時までの時短営業とすることを検討している。具体的な措置は17日に発表され、年末まで2週間実施される見通しだ。

 ソウルの学生街・新村にあるフライドチキン店の店主は15日、「年末に営業をするなと言っているも同然だ」とため息をついた。コロナ対策により午後9時までしか営業できなかった時は、1日の客が多くても3~4組にすぎず、集まりが規制されたため宅配や持ち帰りの注文も大きく減っていたと明かした。

 ソウル市麻浦区に焼き肉店を構える店主もランチタイムを前に、政府が集まりの人数制限の強化と時短営業を検討しているというニュースを深刻な表情で見つめていた。防疫規制の強化が発表されれば、年末の6人単位の会食が全てキャンセルになると危ぶむ。「昨年の年末もなんとか乗り越えたのに、今年はもっと深刻な状況になりそうだ。アルバイトの給料も払わねばならないのに」と途方に暮れた様子だった。

 年末に集まりを予定していた人々も浮かない表情を見せる。ソウル市内に住む会社員は、予告された通りに規制が強化されれば10件以上の約束をキャンセルすることになるとし、「感染拡大を止める必要があるのは分かるが、こんな風に(行動を)封じるやり方以外にできることはないのか」と悔しがった。

 自営業者団体は政府が防疫強化の検討を発表するや強く反発し、総決起を予告した。

 新型コロナ対応全国自営業者非常対策委員会は22日、ソウルの光化門広場で大規模集会を開き、ワクチンの接種完了やPCR検査の陰性を証明する「防疫パス」と営業時間制限の撤廃を訴える予定だ。同団体側は「自営業者がこれ以上の被害を受けないようにするという政府の約束を信じていたが、新型コロナの感染状況が悪化し、またも自営業者だけを規制しようとしている」と批判した。


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