オミクロンの国内流入は時間の問題 防疫パス強化の実効性には疑問も=韓国(画像提供:wowkorea)
オミクロンの国内流入は時間の問題 防疫パス強化の実効性には疑問も=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国では新型コロナウイルス感染による入院中の重症患者数、死亡者数は再び過去最多を記録した。 ここにデルタ株より伝播力の強いオミクロン株が世界的に拡散する兆しを見せるなど、新型コロナウイルスを取り巻く状況はさらに混乱している。

感染症の専門家はその多くが現在の防疫パスの効果は少ないとし、さらに強力な案が必要だと主張した。また、現在、集団感染が主に老人ホームなどで発生していることを考慮し、防疫パスだけに依存していてはいけないという声もあがっている。

梨花女子大学モクトン(木洞)病院呼吸器内科のチョン・ウンミ教授は28日、イーデイリー社との電話インタビューで明日29日にムン・ジェイン(文在寅)大統領主宰の特別防疫点検会議後に発表される防疫対策の実効性について懸念を示した。チョン教授は「政府の防疫強化策は私の想定よりいつも弱い」、「前のソーシャルディスタンスは適用されておらず、レストランやカフェの防疫パス適用も自営業者の反発のために難しい。代替として、防疫パスの有効期間設定と若者に対する防疫パス適用を実施するものとみられる」と話した。

チョ教授はこのような案に対して「効果は薄いと見ている」とし、「シンガポールのようにソーシャルディスタンス施策を一か月間行ってこそ効果が出るはずだ」と伝えた。感染者増による重症患者の増加と関連し、「次の水曜日には感染者は5500~6000人まで達する可能性があると見ている」、「大学病院はこれ以上、重症患者病床を稼動できない。コンベンションセンターや体育館を病床に利用する案を推進しなければならない」と強調した。

オミクロン株については「韓国は入国が相対的に自由で、海外から来る外国人労働者が多い」、「変異株がすでに流入しているか、いずれ入ってくる確率が高い」とした。また「南アフリカの伝播速度を見ると、今年の冬の3分の1はオミクロン株が占めて、来年になれば優勢株となるだろう」と見通した。

翰林(ハンリム)大学聖心病院呼吸器内科のチョン・キソク教授は「政府が今回は素早くオミクロン株が流行しているアフリカ8か国に対する入国禁止を打ち出し、安心した」と評価した。

オミクロン株の対応策については、「海外の研究結果が出るまで半月ほど待って、『我々はどうするのか』を決めなければならない」、「すでに入国済のアフリカからの入国者に対して全数調査をすべきだ」と提言した。

また、「世界保健機関(WHO)が想定より早く警戒対象だと判断したのを考慮すると尋常ではないことだ」とし、「多くの国が防疫を強化しているのを見れば明らかに対処すべき問題」と話した。

ソウル大学医学部医療管理学科のキム・ユン教授も、「拡散スピードが本当にとても速いのかについては疑問の余地があるが、デルタ株より速い伝播力を持っていることは明白だ」と話した。

一方、キム教授は防疫パスの強化については懐疑的な立場を示した。「現在感染者や重症患者の増加傾向がおさまらない理由は、老人ホームや老人介護施設でのブレイクスルー感染という構造的な問題と、子どもと若者が接種を受けなかったり、接種率が低い状況で発生する感染だ」と伝えた。

また、「現在の危機がソーシャルディスタンス施策や多重利用施設で発生しているわけではないという点を考慮すれば、防疫パスが今の段階で政府が打ち出す対策の核心的な論点とすべきかは疑問だ」、「今は病床と人材をどのように確保するかが核心となるべきだと思う」と表明した。
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