尿素水は貨物トラックなどディーゼルエンジン車の煤煙の低減に欠かせない品目で、ディーゼル車から発生する有害物質である窒素酸化物を水と窒素に変える役割をする。
2015年に欧州の最新排出ガス規制「ユーロ6」が韓国に導入され、ディーゼル車には排出ガス低減装置(SCR:Selective Catalytic Reduction)の装着が義務付けられた。そのため、韓国で運行されているディーゼル貨物車の60%がSCRを装着しており、尿素水は必須品目だ。尿素水がないと、エンジンがかからなかったり、出力が落ちるなど運行に支障をきたす。
産業界では、来月になれば、国内尿素水の物量が底をつき、貨物運送市場が麻痺するなど、物流麻痺事態が起きかねないと懸念している。韓国政府はディーゼルエンジン車に欠かせない「尿素水」の不足現象を解決するため、産業用尿素水を車両用に転換するための方法を検討している。
今回の「尿素の輸入不足」現象は、中国政府の尿素輸出検査義務化措置によって起こった。尿素水の原料である尿素は石炭からアンモニアを抽出して作られるが、中国は最近、オーストラリアとの「石炭紛争」で石炭供給が不足すると尿素生産を減らし始め、尿素輸出検査義務化措置で事実上尿素輸出を禁止した。
中国に尿素輸入をほぼすべて依存している韓国は、今回の中国の措置で国内への打撃が避けられない状況だ。産業部によると、今年1~9月の累積基準で、尿素水の原料である産業用尿素は97.6%が中国産だった。
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