韓国では11月1日から「ウィズコロナ」という新たな防疫の転換点を迎えた(画像提供:wowkorea)
韓国では11月1日から「ウィズコロナ」という新たな防疫の転換点を迎えた(画像提供:wowkorea)
「まずは2年間行けなかった海外旅行に行きたい。そして会えなかった友人たちとの集まりももって…これまで先延ばしにしていたことを年末までにしようとすれば、忙しくなりそうだ」

「ウィズコロナ」が施行されればどんな計画があるかについての質問に、ある30代の会社員は(夏・冬)休みを控えた学生のような表情で様々な計画を語った。その顔からは緊張感はなく、期待に満ちた表情がみられた。

「そんなにうれしいか」と思った瞬間、「そんなに興奮しても大丈夫か」と心配になった。

そしてついに11月1日から「ウィズコロナ」という新たな防疫の転換点を迎えた。韓国で最初に新型コロナウイルスによる感染者が発生した昨年の1月21日以降652日ぶりに、日常回復の第一歩を踏み出したのである。

「新型コロナ以前の生活を回復する」という期待感に、人々はまるで100メートル競走のスタートラインに立った選手のように、日常回復へと走り出す準備をしている。

しかしウィズコロナは「新型コロナの終息」ではなく「新型コロナとの共存」を意味する。

ある感染分野の専門家は「ウィズコロナをまるで “新型コロナの終息”のように考える人が多いが、それは深刻な錯覚だ」とし「新型コロナは今後、風邪のように考えなければならない。ワクチンを接種したとしても気を緩めればすぐにでもウイルスが浸透し、自分はもちろん周りの人々を感染させる可能性がある」と語った。

また他の専門家も「ワクチンのなかった前半戦が終わり、ワクチンのある後半戦を進んでいる」とし「しかし後半戦で競技が終わるのではない。ウィズコロナという延長線が残っている」と強調した。

キム・ブギョム(金富謙)韓国首相は先月29日「これは新型コロナとの戦いの “終わり”ではなく “新たな始まり”という点を、我々ははっきりと認識しなければならない」と語っている。

すなわち “ウィズコロナ”への転換とともに、緊張が緩めば我々は再び “防疫措置”という重荷を背負うことになるかもしれないということだ。

実際、韓国より先にウィズコロナへと転換した英国は最近、一日の新規感染者が5万人を超えた。シンガポールもウィズコロナへの転換後の先月27日、新規感染者がこれまでの最大値である5000人を超えた。大韓医師協会も「ウィズコロナへの転換により、一日の新規感染者が2万人まで増える可能性がある」と警告している。

ワクチン接種率が80%ちかくに到達しているが、高いワクチン接種率が新型コロナとの戦いにおいて勝利を担保してくれるわけではない。

しかしウィズコロナに転換しても、これまでのようにマスク着用と個人の衛生守則順守など緊張感を失わなければ、ウィズコロナは越えることのできない「山」とはならず、我々が十分越えていける「丘」になることだろう。

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