今月29日に行われる自民党総裁選挙が混戦の様相を呈している。有権者の好感度で2位だった石破茂元幹事長が総裁選へ不出馬の意を示したからだ。
これによって、自民党総裁選挙戦はこの日に出馬を公式化する計画の高市早苗前総務大臣とすでに出馬を公式化している岸田文雄元政務調査会長を加えた“三つ巴”状態になる見通しだ。
日本では政権与党の総裁が首相職に就くため、総裁選の勝者がすでに退任の意思を明らかにしている菅首相の後に続いて首相を務めることになる。
◇好感度2位の石破元幹事長、総裁選への出馬見送りを検討
8日付の日本経済新聞によると、石破元幹事長は自民党総裁選に出馬しない可能性を言及した。石破元幹事長は今月6日の夜、BS-TBSのテレビ番組に出演して「総裁選では勝算がない」とし、「参加するだけでは意味がない」と述べた。
石破元幹事長は河野行政改革担当大臣を支持するのかという質問には「(そうする選択肢が)全くないというのがおかしい」と答えた。ただ、支持については「岸田元政務調査会長も同じ」という但し書きをつけ、まだどちらに重きを置いたかは明らかにしていない。
石破元幹事長が総裁選への不出馬を考慮しているのは、石破派のムードを反映したものと見られる。日経は石破派とされるある関係者の言葉を引用し「今回は石破氏を支援しないと伝えた」とし、「無理に出馬すると次の機会がなくなる」と助言したと報道した。石破元幹事長の広報戦略を担当する平将明衆議院議員も今月5日、河野大臣を支持する考えを伝えたと同紙は付け加えた。
自民党内の世論は河野大臣のほうへ有利に流れている雰囲気だ。今月7日、若手議員70人は今回の総裁選挙で「派閥にこだわらず、議員の意思を尊重して投票すべきだ」と提言した。日経は自民党を復興させる人物が総裁に選出されることを望むと伝えた。
自民党総裁選挙が終わると、10月中旬に衆議院総選挙を行わなければならない。党内支持も重要だが、自民党のイメージを変えられる全国的な認知度と有権者の好感が裏づけにならなければならない。一般有権者の好感度調査で1位となった河野大臣が好感度2位の石破元幹事長の支持を得た場合、一般有権者だけでなく石破派や若手議員からの支持も得られる可能性があるという分析が出ている。
◇河野大臣と高市元大臣の限界が明確に…岸田元会長、反射利益を得られるか
初の女性首相誕生かと注目されている高市早苗元総務大臣はこの日午後、総裁選への出馬意思を公式的に明らかにする予定だ。現在出馬がほぼ確定している高市元総務大臣と河野大臣の強みと弱みは明確だ。高市元総務大臣は党内最大派閥の支援を受けて党内での支持基盤がしっかりしている一方、支持の外部拡張性が落ちるという評価を受けている。河野大臣は一般の有権者の人気は高いが、党内の重鎮から支持されていない。
自民党内には、安倍晋三元首相が属する細田派(97人)をはじめ、麻生派(53人)、竹下派(52人)、二階派(47人)、岸田派(46人)、石破派(17人)、石原派(10人)の7派閥が存在する。高市前総務大臣は細田派の支持を受けている。
自民党総裁は自民党所属の衆議院国会議員383票と党員・党友383票を加えた766票の過半数を獲得した候補が当選する。1回目の投票で過半数の票を得た候補がいなければ、1、2位候補を対象に国会議員票(383票)と広域自治体の党指導部(47票)の計430票をめぐって2回目の決選投票を行う。それだけ、党内の支持基盤が強くなければ自民党総裁になることは難しいということが。
高市元総務大臣は外部への拡張性が落ちるという限界があると評価されている。日本の植民地侵略や慰安婦問題を否定したうえ、首相になっても靖国神社参拝を続けると発言するなど、極右のイメージが強いためだ。このような動きによって安倍元首相の支持を確保したが、一般有権者を対象にした好感度調査では好感度が3%にとどまった。
一方、河野大臣の場合、自民党内の重鎮たちから敬遠されている雰囲気だとロイター通信は伝えた。ロイターによると、党の元老たちは河野大臣の率直で独断的な性格を警戒している。また、比較的若い河野大臣が総裁になる場合、若手議員の発言権が強まることを懸念する声も出ているという。
これに対して、重鎮議員らが高市元総務大臣や河野大臣ではなく、岸田元会長を支持するだろうという見方も出ている。河野大臣が所属している麻生派の首長である麻生太郎副首相でさえ、河野大臣に対する支持意思を明らかにしていないのは“第3の選択肢”に悩んでいるという解釈だ。
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