【ソウル聯合ニュース】北朝鮮は10日、金正恩(
キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長による韓国と米国の合同軍事演習を非難する談話を内部メディアで住民に公開した。 朝鮮中央テレビは同日午後のニュースで「内外からの一様な糾弾と排撃にもかかわらず、米国と南朝鮮(韓国)軍は情勢不安定をさらに促進する合同軍事演習を開始した」という内容で始まる金与正氏の談話を放送した。 金与正氏は「南朝鮮当局者の背信的な振る舞いに強い遺憾の意を表す」とし、米国に対しても「現在の米政権が騒ぎ立てる『外交的関与』と『前提条件のない対話』とは、自らの侵略的本心を隠すための偽善に過ぎない」と非難した。 朝鮮中央放送でも同時刻に談話の全文を公開した。 このため、朝鮮労働党機関紙の労働新聞でも11日付の紙面に掲載される可能性が高いとみられる。 金与正氏が今月1日、韓米合同軍事演習を注視するとした談話が2日付の労働新聞や朝鮮中央テレビで公開されなかったのとは対照的だ。 1日の談話では「現在のような重要な時期に行われる軍事演習は北南(南北)関係の将来をさらに曇らせる可能性がある」とし、韓米合同軍事演習に関する韓国の決定を注視すると明らかにした。 韓国の態度を見極めようと圧力をかけたものの要求が受け入れられず、演習が予定通り始まったことに反発して今回の談話を公開したものとみられる。 北朝鮮は、断絶していた南北通信連絡線を先月27日に約1年ぶりに復旧させたことも住民に知らせていない。 北朝鮮住民は、連絡チャンネルの復旧により南北対話の可能性が提起されている状況を知らないままで軍事演習を非難する談話を目にし、依然として南北関係が冷え込んでいると認識していることになる。 北朝鮮は3月にも韓米合同軍事演習を理由に「(南北首脳会談が開かれた)3年前の春の日に戻ることは難しい」とする金与正氏の談話を労働新聞と朝鮮中央放送で公開した。 米中や米朝の対立が続く中で朝鮮半島情勢が不確実なことから、和解のメッセージを出すのには慎重になっているものとみられる。
Copyright 2021YONHAPNEWS. All rights reserved. 40