北朝鮮はなぜ通信回線を復旧したのか…脱北者議員「大統領選挙に影響を与えるためか」=韓国報道(画像提供:wowkorea)
北朝鮮はなぜ通信回線を復旧したのか…脱北者議員「大統領選挙に影響を与えるためか」=韓国報道(画像提供:wowkorea)
「北朝鮮が突発的な行動をとるのは、来年の韓国大統領選挙に影響を与えるためではないか、注視すべきだ」。

 北朝鮮の高位級外交官出身で韓国に亡命した韓国保守系野党「国民の力」のテ・ヨンホ(太永浩)議員が27日、南北間通信回線の復旧に合意した北朝鮮の突然の態度変化について、このように語った。

 北朝鮮は昨年6月、韓国側のビラ散布を理由に、南北共同連絡事務所を一方的に爆破し、南北関係の断絶を宣言していた。

 太氏はこの日、南北通信回線の復旧について、「北朝鮮が連絡窓口の復旧に同意してきたことは、本当に幸いで当然のこと」としながらも、このように明らかにした。

 まず「南北連絡窓口の復旧が特定の政治勢力のための一時的な行動ではなく、南北住民に実質的な助けになる真の対話の出発点になることを願う」と歓迎した。

 続いて太氏は「これをきっかけに、膠着(こうちゃく)状態に陥っている米朝非核化交渉が再開し、離散家族の再会、北朝鮮に抑留された韓国住民の解放など、韓国国民が望むことを解決してほしい」とし、「北朝鮮がワクチン・食糧など人道的支援を要求する可能性もある」と付け加えた。

 また「人道的な立場から北朝鮮住民を当然支援すべきだが、昨年南北連絡事務所を爆破し、韓国国民を攻撃した北朝鮮当局の要求に、何事もなかったように応じることはできない」とし、人道的支援に先立って北朝鮮側の謝罪が必要だと主張した。

 また「北朝鮮側に対して、南北共同連絡事務所を爆破するという過激な対応が、韓国国民から支持されないことを明確にすべきだ」とし、「北朝鮮の核脅威の前では、韓国国民の生命と安全のために、米韓連合訓練が必要だということも、堂々と明らかにしなければならない」と指摘した。

 特に「最近、大統領選挙が近づき、野党候補に対する北朝鮮の露骨な非難が増えている」とし、「北朝鮮が来年の大統領選挙を控え、大統領選挙に影響を与えようとしていないのかも我々が注視すべきこと」と語った。

 実際、北朝鮮の対外宣伝メディアは、最近になって野党側の大統領選挙関係者を激しく非難している。ユン・ソンニョル氏をヒトラーにたとえたり、イ・ジュンソク「国民の力」代表が主張した「女性家族部・統一部廃止論」も批判している。

 さらに太氏は北朝鮮に対し、「来年の大統領選挙のための支持率アップを目的にした、突発的な行動よりは、長期的に南北関係の土台になることを考えるべきだ」と強調した。

 これに先立ち、韓国政府と北朝鮮は27日午前10時、南北通信回線を復旧した。昨年6月に北朝鮮が一方的に通信回線を断って以来、13か月ぶりのことだ。
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