(画像提供:wowkorea)
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国連貿易開発会議(UNCTAD)は2日(現地時間)、スイス・ジュネーブの国連本部で開いた会議で、韓国の地位を「開発途上国」から「先進国」に変更する案を議決した。

UNCTADは、1960年代に先進国と開発途上国との経済格差問題「南北問題」が指摘され始めたことを受け、1964年に設置された政府間機関。4年に1度総会を開き、貿易と開発に関する南北間の諸問題などについて討議している。韓国は1964年3月に加盟した。

UNCTADはアフリカなどの開発途上国(グループA)、日本や米国、ドイツ、フランスなどの先進国(グループB)、中南米国家など(グループC)、ロシア及び東欧圏(グループD)の4グループに分かれており、韓国はこれまで「グループA」に所属していた。

2日に開かれたUNCTADの第68回貿易開発理事会は、韓国を「先進国グループ」に変更する案を195の加盟国の全会一致で議決した。UNCTADが特定の国の地位を開発途上国から先進国に変更したのは初めてという。韓国の合流により「先進国グループ」は32か国となった。

グループの変更を受け、ムン・ジェイン(文在寅)大統領は6日、「わが国は名実ともに先進国だと国際的に認められた」と喜びを口にした。その上で、「もう韓国は堂々たる先進国だという自負心の下、国際社会での責任と役割をより一層忠実に履行し、先導国家に飛躍するために前進を続けていく」と自信を示し、「国民も血と汗で成し遂げた誇らしい成果だと自負してほしい」と国民に呼び掛けた。

韓国メディア各社も、このニュースを快挙として大々的に報じた。5日付の韓国紙・イーデイリーは、1960~80年代にかけて韓国が達成した著しい経済成長を指す「ハンガン(漢江)の奇跡」の言葉を見出しに用いて伝えた。

ハンギョレ新聞は5日の社説で、「国民が誇りを持つに値する出来事だ」と称賛。「韓国の地位格上げは、急成長した経済規模や国際的地位の向上などが反映された結果と評価される」「国際社会において韓国が名実ともに先進国として認められたことを意味する」などと論じた。

その上で、「国際社会での韓国の役割と責任もそれだけ大きくなった」とし、開発途上国への経済支援と協力の強化に加え、国内的にも先進国の地位にふさわしい、生活の質の向上を政府に求めた。

先進国の定義に単一のものが存在しないが、一般的には1人当たりの国内総生産(GDP)が1万ドル(約110万6000円)以上の国を指すとされている。国際通貨基金(IMF)のデータによると、昨年の韓国の1人当たりのGDPの推計値は3万1246ドルだ。世界191か国・地域のうち31位。東アジアではシンガポール、日本に次ぐ3位となっている。

また、2019年には世界貿易機関(WTO)の「開発途上国」の地位を放棄。中央日報によると、主要国際指標のうち韓国が「先進国」に分類されていないのは、世界の株価指数を算出する米MSCI(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル)の市場分類のみという。MSCI社は韓国株式市場を「新興国市場」に分類している。

しかし、外交においても先進国にふさわしいのか?先進国らしい成熟さが求められる中、特に日本との関係においてどうだろうか?

慰安婦問題に関しては国際法違反の状態が続く。竹島(韓国名・独島)に関しては現在、東京五輪と絡めてまるで「スポーツの政治利用」ともとれるような行為を連発しているほか、東京五輪ボイコットの主張には現役の自治体の首長や歴代の首相までもが加担している。

今回のUNCTADの決定は文政権の要請によるものと報道され、韓国国内では論争も起きている。しかし、経緯はどうでもよい。国際社会での貢献、責任を果たしてこそ、初めて名実ともに先進国と言えるだろう。これから韓国に求められる国家の成熟度はどうするのか?

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