物価、9年1か月ぶりの大幅上昇…インフレの可能性は?=韓国(画像提供:wowkorea)
物価、9年1か月ぶりの大幅上昇…インフレの可能性は?=韓国(画像提供:wowkorea)
先月、韓国では消費者物価が前年同月比2.6%上昇し、9年1か月ぶりに最大の上げ幅を記録した。国際原油価格の上昇と農畜水産物の需給不安が物価上昇をけん引した。6月も2%台の上昇率が続くと予測され、インフレが現実化するのではないかと懸念の声が出ている。

 2日、韓国統計庁が発表した「2021年5月の消費者物価動向」によると、先月の消費者物価は前年同月比2.6%上昇し、12年4月(2.6%)以来の最高値を記録した。4月の2.3%に続き、2か月連続して2%台の上昇率だ。

 農畜水産物(12.1%)と工業製品(3.1%)が先月の消費者物価の上昇をけん引した。作況の不振や鳥インフルエンザ(AI)の影響で農畜水産物価格の値上がりが続き、石油類の価格も昨年に急落した基底効果が働いたという分析だ。

 物価の基調的な流れを示すコア物価(農産物・石油類を除く指数)は1.5%上昇し、2017年9月(1.6%)以来最大の上げ幅を記録した。品目の性質別では、農畜水産物が12.1%値上がりし、二桁の上げ幅を記録した。個人サービスも2.5%上昇し、19年2月(2.5%)以降最高の上げ幅だった。

 特に、昨年6月新型コロナウイルス感染症(コロナ19)で消費者物価上昇率が0%だった点を考慮すれば、6月にも2%台の消費者物価上昇率を記録するというのが統計庁の見通しだ。

 淑明女子大学のシン・セドン名誉教授は「今すぐインフレ懸念があるとは思えないが、市中の通貨量が最近急激に増加している傾向を考えれば、年末ごろインフレの可能性が高いと思う」と述べた。

 しかし、韓国政府と韓国銀行(中央銀行)はこのような懸念に線を引いている。ホン・ナムギ経済副首相兼企画財政部長官は「国内外のインフレ警戒感が拡散しているが、もう少し客観的な判断が必要だ」とし、「最近の物価上昇を主導した基底効果と一時的な供給障害などは、下半期に向かうほど次第に解消されるだろう」と話した。
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