沈没したセウォル号=(聯合ニュースTV)
沈没したセウォル号=(聯合ニュースTV)
【ソウル聯合ニュース】韓国で2014年、修学旅行中の高校生ら約300人が犠牲になった旅客船セウォル号沈没事故で、韓国軍の情報機関だった旧国軍機務司令部と政府の情報機関・国家情報院が犠牲者の遺族を監視したとの疑惑について、検察のセウォル号惨事特別捜査団は19日、嫌疑なしとの判断を下した。捜査団は1年2か月間に及ぶ捜査の結果を発表し、活動を終了した。

 捜査団はセウォル号の航跡改ざん疑惑と事故当日、海洋警察が海に落ちた高校生をヘリコプターではなく船舶で搬送し、救助を放棄したとの疑惑についても嫌疑なしと判断した。

 捜査団は事故現場に出動した救助隊員に乗客救助に必要な指示を出さず、大規模な人命被害を出した疑いで、金錫均(キム・ソクギュン)元海洋警察庁長ら11人を昨年2月に在宅起訴した。また、事故の真相究明などに取り組んだ「セウォル号惨事特別調査委員会」の活動を妨害したとして、李丙ギ(イ・ビョンギ)元大統領秘書室長ら9人を職権乱用などの疑いで在宅起訴した。

 一方、国軍機務司令部と国家情報院が遺族を監視したとして、朴槿恵(パク・クネ)前大統領らが告訴された事件については嫌疑なしと判断した。情報機関が遺族の動向報告書を作成したことは確認されたが、尾行や盗聴、ハッキングなどの権利侵害行為は確認されなかったという。

 セウォル号の防犯カメラのDVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)改ざん疑惑については、捜査団が捜査を進めたものの、特別検察官による捜査が予定されているため、関連記録を特別検察官に渡す方針だ。

 法務部と青瓦台(大統領府)が真相究明に向けた検察と監査院の調査に圧力をかけたとの疑惑に関しては嫌疑なしと判断した。

 捜査団は事故を巡るさまざまな疑惑の全面的な再調査を求める遺族と国民の要求を受け、検事総長の指示で2019年11月に設置された。


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