ソウル市九老区の世宗科学高等学校で外部者出入り禁止の案内文が貼られている(画像提供:wowkorea)
ソウル市九老区の世宗科学高等学校で外部者出入り禁止の案内文が貼られている(画像提供:wowkorea)
週末にかけ小康を保っていた韓国の新型コロナウイルス感染症の拡散傾向が、大学修学能力試験(修能)を翌日に控えて再び強まり、防疫に赤信号が灯った。

ソウル市の場合、大規模な集団感染源がなく、1日当たりの新規感染者数が200人に達しており、防疫当局は非常に緊張している。さらに、カンナム(江南)区テチドン(大峙洞)にある語学学習塾、クロ(九老)区にあるセジョン(世宗)科学高校で小規模な集団感染が続き、教育当局は非常事態に陥った。

2日、ソウル市によると、この日午前0時基準のソウル地域のコロナ感染者は、前日比193人増の9159人だ。2441人が隔離されて治療を受けており、6625人が完治の判定を受けて退院した。死者は93人となっている。

ソウル地域の1日当たりの新規感染者数は、先月18日から14日連続で3桁を続けている。先月25日、1日当たりの新規感染者数は212人とこれまでで最も多くなり、26日(204人)も200人を超えた。カンソ(江西)区ファゴクドン(禾谷洞)にあるエアロビクス教室で大規模な集団感染が発生し、100人ほどの感染者が発生したためだった。

週末効果で150人台に下がった1日当たりの新規感染者数は、前日193人と爆発的に増加した。とりわけ、前日は目立った大規模な集団感染はなかったにもかかわらず、1日にして200人ほどが追加で感染した。

ソウルのあちこちで日常感染が続く中、塾や学校を中心に感染が広がり、懸念が高まっている。

前日、江南区大峙洞のある英語塾では、塾関係者1人と生徒8人が陽性判定を受けた。この塾は中学生を対象にしているため、修能受験生は通っていないことが確認された。しかし、大峙洞に位置しており、周辺の他の塾や生徒らに感染が拡散しかねないという指摘が出ている。

ソウル市の関係者は「疫学調査の結果、この塾は窓がなくて換気が悪く、講義室の面積も広くないため、受講生間で距離を置くのが難しかった」とし「学生と講師は全員、マスクを着用していたにもかかわらず、講義の特性上、話を続けていて飛沫感染の危険が高いことが分かった」と述べた。

続いて「感染者に対して深層疫学調査を進行しており、その結果によっては近隣の塾に対する措置を取る予定」と付け加えた。

学生と教職員の感染者も全国的に増加傾向を見せている。

教育部によると、順次、登校授業を始めた5月20日以降、今月1日まで、陽性判定を受けた生徒は1381人、教職員は263人だ。前日だけで感染した生徒41人と教職員4人が追加された。このうち、ソウルでは学生15人と教職員1人が確認された。

これを受け、ソウル市はコロナに感染したり、自家隔離中の受験生のため、別途の試験場を設け、試験監督官全員を対象に検体検査を実施する。ソウル市は、ソウル医療院とナムサン(南山)ユースホステル生活治療センターに感染者専用の試験場を設けた。さらに、自家隔離者のための別途試験場22か所も確保した。受験生は修能当日の3日未明に感染判定を受けても、別途の試験場で修能を受けることができる。

修能後に行われる大学別試験のための防疫対策も立てている。

ソウル市のパク・ユミ市民健康局長は「大学別試験を安全に実施できるよう予備校および大学周辺の飲食店など、重点管理施設に対する集中防疫を実施する」とし「隔離受験生の移動支援など、徹底した防疫管理計画を準備している」と説明した。

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