世界最大規模の人権団体、アムネスティ・インターナショナル(AI)は23日、韓国に居住する移住労働者は暴力と差別に苦しめられているとの内容を盛り込んだ加盟国人権状況の年次報告書を公開した。

 報告書は韓国について、昨年8月現在18万9000人の未登録移住労働者が居住し、拘束と国外追放に直面していると指摘した。移住労働者は職場で直接的・間接的暴力や人種差別を受け、定期的に給料をもらえないケースもあるだけでなく、無分別な逮捕も問題だと述べている。特に女性の人権については、「全体の3分の1を占める女性労働者は、性暴力などを含め給与や労働条件の面で一層低い地位に置かれている」と説明した。

 韓国の死刑制度に関連し、2006年末現在63人の死刑囚が刑の執行を待っており、死刑制度廃止に向けた法案は法制司法委員会での論議以上に発展していないと主張した。また、2005年から2006年にかけて936人が兵役拒否を理由に拘束されているとし、良心的兵役拒否者に対する人権侵害についても指摘している。

 一方北朝鮮の人権状況については、食糧権と生命権を含め人権侵害は依然としていると懸念を示した。昨年は数度の大型洪水で農作物の収穫が減少し、10月基準で12%の住民が飢えているとの調査結果が出るなど、食糧難はさらに深刻化しているとの説明だ。また、北朝鮮では移動、表現、集会の自由の抑圧が深刻で、独立した機構の監視は統制され、拘束と拷問、死刑が依然として行われていると指摘した。特に、10万人余りの脱北者が追放の恐怖の中で中国に隠れ住んでおり、このうち150~300人余りが毎週北朝鮮に送還されているとし、中国内の脱北者の処置を懸念している。

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