新型コロナウイルスの感染拡大で新作の公開が延期され、映画館では過去のヒット作を代わりに上映している。今月1日、ソウル市内の映画館に掲示された上映スケジュール=(聯合ニュース)
新型コロナウイルスの感染拡大で新作の公開が延期され、映画館では過去のヒット作を代わりに上映している。今月1日、ソウル市内の映画館に掲示された上映スケジュール=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】連休明けの6日から、韓国で新型コロナウイルスの感染拡大防止のための制限が緩和され、「生活防疫」(日常生活・経済活動とのバランスを取った防疫)に移行することで、これまで萎縮していた映画や音楽、テレビ業界も息を吹き返すかどうか注目される。先月30日の釈迦誕生日から今月5日のこどもの日にかけての連休を機に映画観客数は小幅に持ち直し、業界は客足回復に期待を強めている。K―POP界ではアイドルグループなどの新譜リリースが相次ぎ、テレビ業界も野外でのロケの再開へ動き始めている。 映画業界は少しずつ活気を取り戻しつつある。1日当たりの観客数は一時、過去最低となる1万5000人台に落ち込んだものの、連休直前の先月29日には7万人を上回り、連休初日の同30日には1カ月半ぶりに10万人を超えた。 封切りを先送りしていた作品も、次々に公開日を決定している。特に、3月には実質的な公開作品数が7作にすぎなかった韓国映画が公開日を巡り、駆け引きを繰り広げる見通しだ。 3月に公開予定だったソン・ジヒョ、キム・ムヨル主演の韓国映画「侵入者」(原題)は、今月21日の公開が決まった。行方不明になっていた妹(ソン・ジヒョ)が25年ぶりに家に戻ってきてから家族が少しずつ変わっていき、これを不審に思った兄(キム・ムヨル)が妹の秘密を追うというストーリーのミステリー・スリラーだ。 大人数が集まるため中止状態にあったマスコミ試写会も再開された。また、複合映画館(シネコン)大手のCGVとメガボックスは、新型コロナのあおりで休業していた映画館の営業を再開した。ただ、感染予防のため間隔をあけて座るといった措置を取る。 まだ新作がほとんどなく、劇場という密閉空間での感染懸念があることから、完全な客足回復には時間がかかると業界は予想している。 5月に入り、K―POP界も動き出している。盤石なファン層を持つアイドルグループや人気歌手らが近日中の新譜発売を予定している。 ボーイズグループのASTRO(アストロ)は4日、NU''EST(ニューイースト)とDAY6(デイシックス)は11日、MONSTA X(モンスタエックス)は26日にそれぞれニューアルバムをリリースする。 来月には、韓国を代表する二つのガールズグループ、TWICE(トゥワイス)とBLACKPINK(ブラックピンク)がニューアルバムを出す。TWICEは来月1日に新曲「MORE &MORE」を発表し、BLACKPINKは来月中に1年2カ月ぶりとなる新譜を発売する。 また、歌手で女優のIU(アイユー)とボーイズグループBTS(防弾少年団)のSUGA(シュガ)のコラボ曲「エイト」も今月6日にリリースされる。 一方で、歌手とファンが間近で顔を合わせるファンサイン会、コンサートなどのイベントが開催されるかどうかは不透明だ。 K―POP界の関係者は「新型コロナが落ち着いてきてはいるが、大勢の人が集まり、海外のファンも訪れる大型イベントを開催するかどうかは感染懸念の面から慎重になっている」と伝えた。 テレビ業界も少しずつ正常化に向かいつつある。新型コロナが広がる前の状況に今すぐ戻ることはできなくとも、感染予防を徹底しながら徐々に行動範囲を広げていきたい考えのようだ。 テレビ局SBSの関係者は「ロケはまだ難しく、主にセットやスタジオで撮影しているが、出入りのたびに検温し、消毒を行っている。当面はこうしたやり方を維持しながら、正常化へ順序を踏んでいくだろう」と話している。 実際、「ランニングマン」など同局のバラエティー番組は主にセットで撮影され、ロケをする場合も地元住民との接触が少ない有料施設を使用したという。 一番問題になるのは観客がいる番組、野外でしか撮影できない番組だが、これらについては急がずに状況を見て撮影を再開するとみられる。
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