文大統領(左)はG20サミットを機に、トランプ米大統領と会談する予定だ(コラージュ)=(聯合ニュース)
文大統領(左)はG20サミットを機に、トランプ米大統領と会談する予定だ(コラージュ)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】28、29日の両日に大阪で開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)を機に、韓国は米国、中国などと活発な首脳外交を展開する見込みだ。韓国としては激化する米中貿易摩擦の行方を探る一方、膠着(こうちゃく)状態が長期化する北朝鮮核問題の突破口を開くための重要な機会となる。

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 文在寅(ムン・ジェイン)大統領との会談が確定したのは、現在のところ、トランプ米大統領だけだ。トランプ氏はG20大阪サミットに合わせて韓国を訪れる予定で、韓国外交筋の間ではサミット直後の来韓になるとの見方が有力だ。

 中国の習近平国家主席とはサミットが開かれる大阪で会談する方向のようで、韓国外交筋は7日、「具体的な日程を調整している」と伝えた。その場合、文大統領は大阪で習氏と会談した後、ソウルでトランプ氏との会談に臨むことになる。 

 米中それぞれとの首脳会談では、中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)に関する議論があるかが注目される。

 米政府は安全保障の脅威を理由にファーウェイへの禁輸措置を取り、韓国をはじめとする同盟国にもファーウェイとの取引停止を迫っているとされる。米国のハリス駐韓大使も5日のソウルでの会議で「信頼できない供給者を選べば長期的なリスクと費用が増すほかない」と述べ、韓国企業にファーウェイとの取引中止を遠回しに促した。

 一方の中国は韓国に対し、ファーウェイ排除に賛同しないよう望んでいる。 

 こうした時期に開かれる韓国との首脳会談で、米中がそれぞれ自国側につくよう韓国に強く迫れば、韓国は板挟みとなって苦慮しかねない。

 それでなくても韓国は、北朝鮮核問題解決に向けた米朝交渉の停滞局面を打開するため、米中と共に円満な協調体制を維持する必要がある。同問題と関連し、文大統領は北朝鮮のミサイル発射に対しても対話路線を維持する方向で意見をまとめたい考えとみられる。

 韓国は米中それぞれとの首脳会談でファーウェイを巡る米中対立を際立たせることがないよう注意しながら、その一方で北朝鮮核問題の解決へ弾みもつけるという、難しいかじ取りを求められることになる。

 文大統領はまた、ロシアのプーチン大統領ともG20サミットを機に大阪で会談しようとしているようだ。

 韓日首脳会談が開催されるかどうかも関心を集める。文大統領は安倍晋三首相と会談したい意向をすでに示している。しかし、韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じた強制徴用訴訟問題を巡り、日本が要請した第三国の委員を交えた仲裁委員会の開催に韓国は応じておらず、日本は韓国の態度に変化がない限り首脳会談は難しいとの立場とされる。

 米国が韓日関係の改善を促しており、ホスト国である日本が2国間会談の申し入れを拒否することへの負担なども考え合わせると、韓日首脳会談開催の可能性は残っている。たとえ強制徴用訴訟問題で平行線をたどるとしても、未来志向の関係発展が必要との認識を確認し合うことが状況の好転につながり得る。


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