ソン・キム氏(資料写真)=(聯合ニュース)
ソン・キム氏(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮消息筋は27日、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議の米国首席代表を務めた元駐韓米大使のソン・キム駐フィリピン大使が南北軍事境界線がある板門店で北朝鮮側と接触し、朝米(米朝)首脳会談の事前調整を行っていることを明らかにした。

 同筋は「現在、(米国の)国務省に北の核問題に精通した官僚がいないため、キム氏が首脳会談の準備を行っている」と述べた。

 南北会談は通常、板門店の韓国側施設「平和の家」で開かれているが、同施設は韓国情報機関・国家情報院(国情院)が管理しており、米代表団のセキュリティー上の問題などで別の韓国側施設「自由の家」で接触を行っている可能性がある。自由の家は韓国統一部が管理している。

 別の消息筋は「キム氏は板門店の南北地域を行き来しながら北側と協議を行う可能性がある」と伝えた。

 キム氏は現在、朝米首脳会談の準備チームのチーム長の役割を担っているとされる。

 別の消息筋は「キム氏が数日前からソウルに姿を現したとの情報があり、米政府の朝米首脳会談の準備作業が本格化したとの観測が出ていた」と述べた。

 韓国系のキム氏は2011年から3年間、駐韓大使を務め、14年には北朝鮮担当特別代表に任命。16年から駐フィリピン大使を務めている。

 韓国語が堪能で、北朝鮮の核問題など朝鮮半島の懸案を詳しく理解しており、朝鮮半島の非核化問題が焦点となる今回の朝米首脳会談の準備に向けた適任者との見方がある。

 一方、トランプ米大統領は26日(米東部時間)、ベネズエラから開放された米国人と面会した際、記者団に対し、朝米首脳会談について、「今、ある場所で話し合いが行われている」と表明。「(場所の)名前は言えないが、ここから遠くない」と述べた。

 トランプ氏がワシントンから遠くない場所に言及し、ニューヨーク・チャンネル(北朝鮮の国連代表部との通称)を通じて北朝鮮側と接触が行われているとの分析もあり、米政府が板門店やニューヨークなど複数のルートを使って首脳会談を準備しているとみられる。


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