【ソウル聯合ニュース】来韓中のパワー米国連大使は10日、北朝鮮脱出住民(脱北者)で人権団体代表のチョン・グァンイル氏の自宅(ソウル市)を訪問した。パワー氏が自身の短文投稿サイト「ツイッター」で明らかにした。 パワー氏はチョン氏の自宅に到着したとツイッターに書き込み、「彼が何を見ているか見て」というコメントともに1枚の写真を掲載した。 写真はこの日、聯合ニュースTVを通じ生中継された民主党のヒラリー・クリントン前国務長官と共和党のドナルド・トランプ氏による米大統領選に向けた第2回テレビ討論会を見るシーンだった。 チョン氏は2000~03年まで北朝鮮の耀徳政治犯収容所に入れられていた。脱北後、04年に韓国に入国し、その後韓国ドラマや韓国映画、海外映画などをCDやUSBメモリーに収め密かに北朝鮮に流すなど、対北朝鮮人権活動を行っている。米ニューヨークの国連本部やワシントン、欧州各地でも北朝鮮の人権侵害の実態を知らせる活動を展開している。 そうした活動を通じパワー氏と親交を深めたチョン氏は、この日自宅で1時間ほど共に過ごした。チョン氏は聯合ニュースの取材に対し「個人的な話や人生について語り合った」と伝えた。韓国にいる家族や、北朝鮮にいる兄弟のことについてもパワー氏から尋ねられたという。 パワー氏はこの日、ソウル市内の脱北者のためのフリースクール「ダウム学校」も訪問した。前日は脱北者の定着を支援する統一部傘下施設「ハナ院」を訪れ、脱北者と対話した。 脱北者関連施設訪問は、北朝鮮の人権問題に対する関心の高さを表すとともに、北朝鮮に対する圧力の一環とみられる。 パワー氏は韓国滞在中に「国際社会は北朝鮮住民の苦痛をよく知っており、暗闇に灯りを照らすため努力を続ける」と述べた上で、金正恩(
キム・ジョンウン)体制の下で行われている人権侵害を強く批判した。
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