ユンホ(東方神起)の場合は、ソウルの北方にある楊州(ヤンジュ)に駐屯する第26師団の軍楽隊に所属しているが、そもそも軍楽隊というのは様々な種類がある。(写真提供:ロコレ/韓国陸軍公式サイトより)
ユンホ(東方神起)の場合は、ソウルの北方にある楊州(ヤンジュ)に駐屯する第26師団の軍楽隊に所属しているが、そもそも軍楽隊というのは様々な種類がある。(写真提供:ロコレ/韓国陸軍公式サイトより)
ユンホ(東方神起)の場合は、ソウルの北方にある楊州(ヤンジュ)に駐屯する第26師団の軍楽隊に所属しているが、そもそも軍楽隊というのは様々な種類がある。それでは、韓国軍において軍楽隊はどのような性格を持っているのだろうか。今回は「軍楽隊のすべて」の前編を掲載しよう。

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■軍楽隊の任務とは?

 5月10日、ユンホが特級戦士に選抜されたというニュースは、日本でも大きな話題となった。彼が凄いのは、軍楽隊員として普段は音楽の練習や行事の参加に時間を取られているのに、それでも射撃と体力で超一流の成績をあげたことである。

 ユンホは第26師団の師団長からじきじきに表彰されたが、韓国陸軍の公式サイトでも紹介されるほど、「ユンホが特級戦士になった」という事実は陸軍の中でも大きく称賛された。

 とはいえ、ユンホの軍隊内での正式な任務は、軍楽隊員として立派に務めを果たすことである。具体的には、師団の中で行なわれる公式行事(表彰式、殉職者の葬儀などを含む)において音楽吹奏で式次第を進行させることや、対民支援(軍隊が民間の活動を助けること)で各種コンサートを行なうことである。

 こうした音楽活動をスムーズに行なうためには、個人の力量アップと楽団のチームワークが欠かせない。それでいながら、軍隊としての規律と階級の遵守に全力を注がなければならない。

 肉体的にも精神的にも負担は大きいが、大好きな音楽に関われるのだから、ユンホもやり甲斐を感じて軍楽隊の任務に励んでいることだろう。


■A級とB級とC級がある

 ひとくちに軍楽隊といっても、陸軍、海軍、空軍で編成内容が違ってくる。ここでは、陸軍にしぼって話を進めていこう。

 陸軍の軍楽隊には3種類ある。

 具体的に言うと、A級軍楽隊、B級軍楽隊、C級軍楽隊ということになる。

 A級軍楽隊は、陸軍本部、陸軍士官学校、首都防衛司令部などに所属する。

 隊員は50人以上で構成されており、音楽大学などで専門的に音楽を学んできた人たちが中心である。

 B級軍楽隊は、軍司令部や陸軍訓練所などに所属する軍楽隊で、35人前後で構成されることが多い。

 このB級軍楽隊であれば、せめて音楽大学に入学しようとするくらいの技量がかならず求められる。

 C級軍楽隊は、各師団に所属している軍楽隊である。

 師団というのは1万人前後の兵士を擁する最大の部隊集団だが、その部隊の1つに軍楽隊を加えているのが普通だ。ユンホの場合も、第26師団が抱える軍楽隊に所属しているわけである。

 なお、A級軍楽隊とB級軍楽隊は、兵役を司る兵務庁によって入隊前に実技試験を行なって、隊員が選抜されている。


■新兵訓練中に希望を申告する

 前述したように、陸軍本部などに所属するA級軍楽隊と、軍司令部などに所属するB級軍楽隊は、入隊する前から軍楽隊員になるメンバーが決まっている。つまり、厳しい実技試験に受かった人だけが、A級とB級の軍楽隊に入れるのである。

 しかし、各師団に所属するC級の軍楽隊は違う。この場合は、新兵訓練所に入ってきた新兵の中から希望者を募るのである。

 どういうことなのか。

 実際の選抜方法を見てみよう。

 たとえば、陸軍訓練所にしても各師団の新兵訓練所にしても、入ってきた新兵たちに特技を申告させる。

 最近の陸軍は、専門的な技量を持っている人には相応の軍務を割り当てる制度に力を入れており、軍楽隊もその1つに数えられている。

 たとえば、「私は音楽が得意です」と申告すると、「お前はどんな楽器ができるのか」と教官から問われる。

 そのときに、「ピアノです」、「ギターが弾けます」と答えると、実技試験によってその技量を判定される。


■師団の軍楽隊員は25人前後

 実技試験はあるのだが、技量がプロ級である必要はない。そこそこに楽器ができれば、「あとは練習して上達すればいい」という考え方があり、ある程度の技量があれば、そのまま軍楽隊に編入されるケースが多い。

 要は、師団に所属する軍楽隊の楽器別の欠員状況によるのである。ギターの隊員が少ないとなれば、優先的にギターの隊員を入れなければならないので、多少弾ければ「はい、合格」となるケースもある。

 このあたりが、A級軍楽隊・B級軍楽隊と根本的に違うところである。

 新兵訓練期間は5週間なので、その間に軍楽隊員としてふさわしいと判断されれば、新兵訓練終了後にそのまま師団の軍楽隊に配属される。

 ユンホの場合も、「打楽器の軍楽隊員」として第26師団の軍楽隊に入った。

 各師団の軍楽隊員は25人前後によって構成される。

 さらに、5~7人くらいの分隊に分けられ、分隊ごとにそれぞれの生活館(兵舎のこと)で暮らすことになる。

 軍楽隊の隊長は、階級でいえば中尉から少領(少佐)くらいの職業軍人が担当する。職業軍人といっても、音楽大学を出ているとか専門的に音楽を学んだ人である。この軍楽隊長に認められれば、軍楽隊員として順風満帆に兵役を履行できるのだが……。
(次回に続く)


文=康 熙奉(カン ヒボン)
(ロコレ提供)

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