左からクァク・ジェヨン監督、女優藤原紀香
左からクァク・ジェヨン監督、女優藤原紀香
日本公開から10年以上を経た今もなお、ラブコメディの金字塔として燦然と輝くチョン・ジヒョン主演の「猟奇的な彼女」、綾瀬はるかが未来からやってきたサイボーグを演じ、ピュアなラブストーリーが話題となった「僕の彼女はサイボーグ」で知られるアジア映画の巨匠・クァク・ジェヨン監督が、“アジアの彼女三部作”の完結編として放つ、新たな“破天荒ヒロイン”ラブコメディ「更年奇的な彼女」の日本公開(4月8日)に先駆け、プロモーションのため来日。

韓国映画「猟奇的な彼女」のキャスト、公開日、あらすじ

 3月16日(水)東京・スペースFS汐留にて行われたプレミア試写会に、ヒロイン・チー・ジア役の吹き替えを務めた藤原紀香とともに舞台あいさつに登壇した。

 本作は、大失恋のトラウマから、26歳で若年性更年期障害を患ったチー・ジア(ジョウ・シュン)が、ひょんなことから再会した大学時代のクラスメイトで、冴えない男ユアン・シャオオウ(トン・ダーウェイ)と奇妙な同居生活をスタートさせ、彼の献身的な支えにより、本当の幸せに気付いていく物語。すでに公開された中国で32億円を超える大ヒットを記録。
アジア全域を超え、世界中の女性を感動させたラブストーリーと注目を集めている。

 日本語吹替版では、藤原紀香ならではの卓越したコメディセンスはもちろんのこと、知性と優しさを感じさせるその声で、ヒロインに新たな魅了を吹き込んでいる。

 この日、プロモーション来日は実に8年ぶりとなるクァク・ジェヨン監督と、へそ出しの衣装で美脚をあらわにした藤原紀香が、上映前の舞台あいさつに登場。フリーアナウンサーYumiの司会で、映画の魅力や見どころを語った。

<B>―まずは皆さんにごあいさつをお願いします。</b>
藤原紀香(以下、藤原):みなさん、こんばんは。ようこそいらっしゃいました。この映画が、いよいよ全国で4月8日から公開されますが、私も声を入れる前に映画を見させていただき、すごく感動したので、そういう思いを皆さんとシェアできると思うと、とてもうれしいです。
クァク・ジェヨン(以下、クァク):(日本語で)皆さん、こんにちは。韓国から参りましたクァク・ジェヨンです。(日本語は)ここまでです(笑)。この作品は中国で制作しましたが、日本で最後に公開することになりました。日本での公開はうれしく、幸せに思っています。日本で藤原さんが吹き替えをしてくださったことによって、新たな映画として誕生したような気がしています。中国語版とはまた違った新しい印象を持っていただけると思うので、楽しんでご覧ください。

<B>―藤原さんは、どのような思いでこの映画をご覧になりましたか?</b>
藤原:まず、とめどなくハラハラと涙が流れてきました。クァク監督の映画は何作も見ていましたので、本当に監督ならではの、悲しいシーンのときに笑いがあったり、クスッと笑えるところにしっとりとしたシーンがあったり、それが映画の中にミックスされていたり。あとは、監督ならではのいろんなスパイスが入っていて、監督のイメージって暖色の感じだったんですけど、まさにその期待を裏切らない物語でした。国を超えて、日本人の私たちでも、ものすごく感情移入できる素晴らしいラブストーリーだったので、この声を入れさせていただけると思うと、本当にうれしくてワクワクしました。

<B>―監督は今の藤原さんの感想を笑顔で聞いていらっしゃいましたけど、どんな気分ですか?</b>
クァク:藤原さんにこの映画の吹き替えを担当していただいて、本当にうれしく思っています。実は、藤原さんのファンなんですけど、ファンとして見ても、この作品は中国語版で見る以上に楽しい作品になったと思います。

<B>―さっき楽屋で、監督がずっと藤原さんの話ばかりしていて、本当にお好きなんだなと実感しました(笑)。</b>
クァク:私自身ビックリしたのが、昔から日本のドラマは見ていたんですが、それぞれ何話かしか見ていなくて、最初から最後まで見たのは2作なんです。そのうちの1作が、藤原さんが出演されていた「スタアの恋」でした。そのドラマの中のスターが、実際に吹替えを担当してくださることになり、興奮しました。そして、感情豊かに表現してくださったおかげで、日本語版がとても素敵な素晴らしい作品に仕上がったと思います。
藤原:カムサハムニダ(=ありがとうございます)。

<B>―監督は日本語吹替版の紀香さんの声を最初に聞いたとき、どう思われましたか?</b>
クァク:ジョウ・シュンさんの声がハスキーで男性っぽいので、そこだけがちょっと残念だったんですけど、藤原さんの声を聞いたときに、本当にいいなと思いました。残念に思っていた部分をしっかりと埋めてくださったので、本当に素晴らしい作品となりました。そして、この作品はセリフの裏側にあるいろんな感情が必要となるんですが、役になりきって、セリフの裏側にある気持ちまで、セリフを通して伝えてくださったので、皆さん見ていただいたら、きっと気に入っていただけると思います。

<B>―藤原さん、監督から大絶賛ですね。</b>
藤原:感激です!

<B>―吹き替えはいろんなことに神経を使わないといけないと思いますが、一番こだわったところはどこですか?</b>
藤原:今回はやっぱり素晴らしい脚本のパワーがあって、普遍的なラブストーリーで、国を超えて、人の心を打つ。なおかつ、監督の映像は美しい。何回見ても飽きない。そして、ジョウ・シュンさんも本当に高低差のある感情豊かな素晴らしいお芝居をされているので、もうとにかくチー・ジアになりきって、声を入れなきゃいけないなと思いました。アフレコのお仕事ってとっても好きなんですけど、毎回難しさを感じていて。自分の表現とは違うお芝居をジョウ・シュンさんがしているので、チー・ジアを演じているジョウ・シュンさんのパッションとか、そのときのお芝居をすごく観察して、アフレコブースの中で、チー・ジアになりきって声を入れました。だから、泣いたり笑ったり、悲しくて立っていられなくなって座り込んじゃったり、号泣で鼻声になっちゃったこともあったり…。そんな感じて、体当たりで声を入れました。そういう意味で、素敵な思い出になりました。

<B>―ヒロインを演じたジョウ・シュンさんから、「藤原さんの起用は、ぜんぜん予想していなかったので、このニュースを聞いて、思わずうれしくて、“わー!”っと叫びました。中国でも、藤原さんのことはテレビを見ていて、よく知っています。もちろん私もそうでした。日本語吹替版を見るのを私もすごく楽しみにしています」というメッセージをいただきました。</b>
藤原:いつか(ジョウ・シュンと)共演したいです。野性的だし、自分の感情に正直だし、喜怒哀楽の高低差があるチー・ジアをとっても表情豊かに、見事なまでに演じられていたすごく素敵な女優さんなので、とても会いたいです。

<B>―この映画はアジア各国で上映されました。監督、中国での観客の反応はいかがでしたか?</b>
クァク:中国の方たちは、映画館で自分の気持ちをその場でたくさん表現されるんですよ。笑ったり、拍手をしたり、騒いだり、泣いたり、隣の人を意識せずに見るんです。だから、映画館で一緒に見ていると、こちらまで楽しくなりました。

<B>―撮影中、大変なことはありましたか?撮影中のエピソードを教えてください。</b>
クァク:2つご紹介したいと思います。1つはジョウ・シュンさんが酔っ払って、酒場で暴れるシーンがあるんですが、本人が本当にお酒を飲んで演じているので、力の抜けた歩き方とか、とてもリアルに演じていましたね。こちらから見ると、危険なんじゃないかなと思うところもあったんですが、彼女はそれぐらい役になりきって演じてくれました。なので、監督としては、危険を感じながらも、楽しい撮影でした。もう1つは、車が水没していくシーンがあるんですが、そのときもお酒を飲みながら撮影したんです。とても寒くて、しかも車の中に水が入ってきてしまうというシーンなので、とても大変な撮影でしたが、ハラハラしながらも楽しく撮影できました。あっ、それからジョウ・シュンさんはこの映画の撮影が終わってから、結婚されたんですが、映画と同じように、大勢の前でウエディングドレスを着て、相手にプロポーズをするという、現実でも映画のようなシチュエーションで結婚されたので、中国でも話題になりました。結婚式にご招待していただいたので、実際にその光景を目にしました(笑)。

<B>―ジョウ・シュンさんはお酒を飲みながら、撮影をされたんですね。紀香さんは、まさかお酒を飲みながらアフレコは…。</b>
藤原:実はね、デビュー当時に、うまく感情が出せないわと思って、お酒を飲んで現場に行ったことがあるんですよ。そしたら、まずマネジャーにすっごく怒られて、監督にも「ありえない」って言われて。もうそれ以来、日本では許されないことだから…(笑)。

<B>―「更年奇的な彼女」の見どころを教えてください。</b>
クァク:では、ネタバレしないように。クァク監督って、美しい映像に監督ならではのスパイシーなポイントを散りばめてくださるんですけど、これに注目っていうのが、サボテンとカメ。あとは言いません。フフフ。そして、見ているとキュンキュンするような作品です。恋を忘れている方、今恋をしている方、恋に傷ついたことがある方など、本当に心に響く物語なので、きょう見ていただいて、またご家族、大切な人、友人、仲間ともう1回一緒に見に来てください。
クァク:愛の物語なんですが、気楽に肩の力を抜いて見られる映画です。そして、私たちの周りにいる人たちの話でもあるので、プレッシャーを感じず、気楽に見ていただきたいです。少しでも感動していただけたら、周りの方にもこの映画について、たくさん話してください。この映画を作ったのは私ですが、上映後は皆さんのものですから、皆さんの心に持ち帰ってもらえたらうれしいです。


 この後、フォトセッションが行われ、映画のポスターを挟んで撮影に応じた藤原紀香とクァク・ジェヨン監督。サイドのカメラマンにも、きちんと写るようにポスターの向きまで自ら変える気遣いを見せながら、抜群のプロポーションで、プロフェッショナルにポーズを決める藤原紀香に、会場の視線はくぎ付けとなった。

 さらにその後、囲み取材にも応じた2人。
藤原は「チー・ジアを演じるジョウ・シュンさんは、クルクルと表情が変わる、かわいらしいお芝居をされる方。私も一生懸命テンションをあげたり、チー・ジアと同じように落ち込んだり…。ブースの中でチー・ジアを生きたんですが、すごく難しかったです。でも、すごくやりがいを感じました」と振り返り、「特に女性は、チー・ジアに共感すると思います。男性もチー・ジアのことがかわいくて、ほっとけなくて仕方ないと思いますよ」とキャラクターの魅力を語った。

 また、舞台あいさつで、藤原のファンだと明かしたクァク監督は「一緒に仕事ができて、とてもうれしく思っています。人生を生きていく中で、偶然というものが本当にあるんだなと改めて思いました。私の座右の銘は、運命は努力をしている人に対して、偶然を与えてくれるという言葉なんですが、その言葉は本当だなと思いました。今回、紀香さんが吹き替えをしてくださったことによって、映画が新たに完成したと思います。本当に渾身の演技を見せてくれました」とここでも藤原をベタ褒め。

 さらに、「紀香さんの話を聞いていると、一人の女性に献身的な愛を捧げる男性主人公の気持ちに寄り添っているなと思ったし、紀香さん自身も、誰かに尽くす役を演じてみたいとおっしゃっていたんですが、本当に紀香さんは愛、そして人生についても深く理解されていて、考えの深い方だなと思いました。この映画を通して、たくさんのことを感じてくださったんだなと感じました」と彼女の魅力を分析した。

 また、作品にちなんで、結婚観を聞かれた藤原は、じっくりと考えた後、「今回の映画のように、あそこまで尽くしてくれる男性ってなかなかいらっしゃらないかもしれないけれど、愛ゆえにできることなので、男女の区別なく、献身的に相手を思う気持ち、感謝の気持ちが続けば成就するじゃないかなと思います」と答えた。

 そして、「(この映画を見て)結婚したくなったのでは?」と追及されると、「恋をしたくなる映画だと思います。若い世代が、恋愛は面倒くさいと話すんですが、そういう世代にもぜひこの映画を見てもらって、胸をキュンキュンさせてほしいです。恋は成就すれば最高だけど、傷ついても、それが必ず糧になるじゃないですか。今度は自分が受けた痛みを人に味わわせたくないから、もっと強く優しくなって、そうやって成長していくと思うので、ぜひ若い世代にも恋をしてもらいたいです」と呼び掛けた。

 藤原紀香が体当たりで吹き替えに臨んだという映画「更年奇的な彼女」。胸がキュンキュン高鳴るときめきや感動は、ぜひ劇場で!





「更年奇的な彼女」
<物語>
大好きな人との結婚を夢見る女の子、チー・ジア。大学の卒業式にウエディングドレスで出席し、同棲中の恋人にサプライズでプロポーズを計画!しかし彼からの返事はー。「結婚は考えられない!」公衆の面前で放たれた一言に、彼女の自信とプライドは見事に崩れ去る。トラウマを引きずりながら26歳になった彼女は、医者から若年性の更年期だと診断されてしまう…。「なんで私が更年期なのよ!」まさかの恋の病が本当の病気になってしまうなんて…。
そんなある日、ホームレスに絡まれているところを大学の中で“最も冴えない男”だった、ユアンに助けられる。「帰る場所がない…。」というユアン。親友の毒舌女、リン・シューアルの猛反対を押し切り、冴えない彼との奇妙な同居生活がスタートする。チー・ジアにとって本当の幸せとは…。
<作品概要>
アジアが誇るスターが共演!! 
クァク・ジェヨンの最新作にアジアが誇るスターが集結!ヒロインのチー・ジアを演じたジョウ・シュンは、日本でも公開された『小さな中国のお針子』(03)などで実力派女優として注目され、2013年にはトム・ハンクス主演の『クラウド アトラス』でハリウッド進出を果たすなど、中国四大女優のひとりとして絶大な人気を誇っています。今作では、彼女ならではの絶妙なバランスでヒロインをキュートに演じています。過去の失恋のトラウマに悩むヒロインを傍らで献身的に支えるユアン・シャオオウを演じるのは、中国の元国民的アイドルとして人気を誇り、『レッドクリフ』シリーズのトン・ダーウェイ。ユーモア溢れる演技でヒロインの魅力を引き出し、日本の女子の心を胸キュンさせます。
4月8日(金)よりTOHOシネマズ日本橋・新宿他全国順次公開!
監督:クァク・ジェヨン
キャスト:ジョウ・シュン トン・ダーウェイ ジャン・ズーリン ウォレス・チョン
日本語吹替版キャスト:藤原紀香 他 原題:Meet Miss Anxiety (C) New Classic Media Corporation
日本版主題歌:華原朋美「君がそばで」(UNIVERSAL J)
上映時間:100分 提供:アジアピクチャーズエンタテインメント/マルエス 協賛:代々木アニメーション学院
配給:アジアピクチャーズエンタテインメント/エレファントハウス/カルチャヴィル 配給協力:DMZtokyo


更年奇的な彼女 予告1(30秒)
更年奇的な彼女 予告1(30秒)




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