ベトナム戦争終戦40年を迎え、韓国を訪れたベトナム戦争時の民間人虐殺被害者遺族らが当時の状況を伝え、韓国に謝罪と慰労を要請した。(提供:news1)
ベトナム戦争終戦40年を迎え、韓国を訪れたベトナム戦争時の民間人虐殺被害者遺族らが当時の状況を伝え、韓国に謝罪と慰労を要請した。(提供:news1)
ベトナム戦争終戦40年を迎え、韓国を訪れたベトナム戦争時の民間人虐殺被害者遺族らが当時の状況を伝え、韓国に謝罪と慰労を要請した。

 しかし同時刻、参戦軍人団体は集会を開き、参戦者の犠牲と名誉を失墜させると声を上げた。

 ベトナム戦争当時、韓国軍駐屯地域で発生した民間人虐殺被害者である64歳男性と、55歳女性は7日午後、ソウル市内にあるレストランで開かれた「イ・ジェガプ写真展、ベトナム被害者招請行事」に出席し、「真実を振り返ったらいいだろう」と訴えた。

 二人は、終戦70周年、ベトナム戦争終戦40年を迎え、「一つの戦争、二つの記憶」というイ・ジェガプ作家の写真展を準備した平和博物館の招請によって4日に訪韓した。

 男性は「今日、ベトナム人として、韓国人に会いに来た。韓国人がベトナムにいた時、どんなことがあったのか正直な気持ちを打ち明けたい」と話し始めた。

 続けて「全住民が寝ていた午前4~5時頃に砲撃が始まった。韓国軍が家や穴蔵を捜索し、全ての人を引きずり集め、銃を乱射して手榴弾も投げた」とし、「そこらじゅうにうなり声が響いていた」と当時を振り返った。

 男性は1966年、韓国軍の民間人虐殺によって家族全員を失った。女性は1968年のフォンニィ・フォンニャットの虐殺によって兄を除く家族を失った。

 震える声で話し続ける男性はベトナム戦争に参戦した韓国軍人に向かって「私はこの場に平和のためにやってきた。過去の制度の中で起きた過ちを直視し、認めるのなら、参戦軍人らを十分に理解し、許すことができる」と語った。

 そして「民間人の虐殺被害者遺族を慰労する責任は韓国政府にある。単純に物質的なサポートではなく、精神的苦痛を解決するためのサポートをしてほしい」と述べた。

 女性も韓国政府に対し「民間人虐殺の過ちを認め、多くの人に真実を知らせる努力をしてほしい。これを通じてお互いに慰め合い、心からの親友になれるだろう」と述べた。

 一方、同時刻、「枯葉剤戦友会」の会員1000名は、インタビュー会場近くで集会を開き「祖国のベトナム参戦枯葉剤患者の苦痛に背を向けたまま、南ベトナム解放民族戦線を民間人犠牲者によって人目をくらまし、参戦者の犠牲と名誉を失墜させた」として写真展中断を要求した。

 また「虐殺を目撃したという男性は15歳という歳で父・兄らと共に参戦した敵軍だ」とし、「これを良民として虐殺被害者遺族であるかのように入国させた真実を明らかにしなければならない」と主張した。

 さらに行事を企画した平和博物館も批判した。「平和博物館が2006年から2012年まで7年間、違法募金した11億6300万ウォン(約1億2800万円/ 2015.4.7現在)を事務所運営費に転用し、詐欺罪及び租税法処罰法違反容疑などでソウル地方検察庁に告発されている現在、捜査中である違法団体だ」と声を上げた。

 警察は万一の事態に備えて、曹渓(チョゲ)寺や平和博物館近くなどに450名ほどを配置したが、幸い騒動はなかった。

 「一つの戦争、二つの記憶」は、7年間、韓国とベトナムを行き来しながらベトナム地域の韓国軍駐屯地を中心に戦争の痕跡、現住民の生活と証言などを記録したイ・ジェガプ作家の写真展である。

 当初平和博物館は、4月7日から5月7日までの1か月間開催し、展示開幕行事としてソウル市内にある曹渓寺内の韓国仏教歴史文化記念館国際会議場でベトナム民間人虐殺被害者遺族らを招請したレセプションを開くことにしていた。

 しかしベトナム戦争参戦者会などベトナム戦争関連団体らの抗議を受けた曹渓寺側で、開幕日を8日に延期し、レセプションを晩餐に変更した。

 平和博物館は警察にベトナムからの訪問団に対する警護の要請もしていた。


Copyrights(C) News1 wowkorea.jp 0