10代を主人公にしたハイティーンドラマが変身を遂げている。以前は青少年の現実に焦点を合わせていたが、最近は成人視聴者のファンタジーを刺激する方向に変わってきている。

 (ドラマ「高校世渡り王」)顔色を伺い教室の外に飛び出す学生。彼が向かう先は大企業のオフィス。高校のアイスホッケー選手である主人公は実兄の依頼で大企業幹部として二重生活をしている。来月スタートする「ハイスクール」は高校生になった天使が主人公だ。

 過去の青少年ドラマは主視聴者である10代の夢や悩みを描いていたが、最近はファンタジー設定を借り大人の話で主題を広げている。

 富裕層の私立高校を背景にした「王冠をかぶろうとする者、その重さに耐えろ~相続者たち」は貧富の差をこえる愛を描き、「高校世渡り王」は会社員の哀歓に焦点を合わせた。

 ハイティーンドラマの変化には、日常を忘れ、夢のあった時代に戻りたいという大人の欲望が反映されている。

 また、以前のキャンパスドラマでの話が、疲れた20代の現実から10代に降りてきたという分析もある。

 ファンタジーと出会ったハイティーンドラマ。しかし、主人公である青少年たちの“本当の話”は立つ場所を失っているという指摘だ。