ソウル市内の現代峨山本社(資料写真)=(聯合ニュース)
ソウル市内の現代峨山本社(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮メディアが23日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が金剛山の韓国側施設の撤去を指示したと報じたことを受け、南北経済協力事業として金剛山観光事業を進めてきた韓国の現代グループは当惑を隠せない様子だ。  金剛山観光を手掛ける現代峨山はこの日、「金剛山観光再開を準備している状況で、突然の報道に当惑している」とする一方、「冷静に対応していく」との立場を明らかにした。 同社はこれまで金剛山観光に関する好材料や悪材料が伝えられるたびに「一喜一憂せず、徹底的に準備する」との立場を貫いてきたが、今回は金委員長が直接韓国側施設の撤去を指示したと報じられたことから、衝撃の度合いは大きいとみられる。 8月に金剛山で開かれる予定だった故鄭夢憲(チョン・モンホン)元グループ会長の追悼式が見送られたのに続き、金委員長が露骨に不満を口にしたことにより、南北交流の象徴とされる金剛山観光の再開に対する不確実性が高まっただけでなく、現地の施設についても心配しなければならない状況に置かれた。 同社は特に、金委員長が「わが名山の金剛山に対する観光事業を、南側を前面に立てて行うのは望ましくないと、われわれが共通した認識を持つことが重要だ」と述べたことについて、その意図に注目している。 ただ、南北関係の不確実性はこれまでも続いており、金剛山観光も既に11年にわたって中断しているため、直ちに大きな変化はないとの判断に基づいて状況を注視する方針だという。  玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)現代グループ会長はこの日、朝鮮中央通信などの報道に関連してグループ内の南北経済協力タスクフォース(TF、作業部会)から報告を受けた。必要があれば対策会議を開くと伝えられた。 グループ関係者は「これまでも楽観しないとの立場だったため、落ち着いて状況の推移を見守る」としながら「当局と緊密に協力する」と述べた。 この関係者は「(グループ創業者の)故鄭周永(チョン・ジュヨン)名誉会長の時代から、あらゆる困難の中でも30年あまり信頼を基に続いてきた南北経済協力がたやすく中止されることはあってはならない」とし、「希望を失わず、心機一転して準備する」と述べた。
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