グループ「Apeace」
グループ「Apeace」
“会いに行けるK-POPアイドル”として2011年から日本を拠点として活躍している韓国出身のボーカル&ダンスグループ「Apeace」が、「Apeace SUPERFIGHT」と題したメンバー同士のパフォーマンス対決イベントを開催。その第1弾が3月31日(金)に東京・原宿クエストホールにて行われた。

 今回対決を繰り広げるのは、お兄さんチームと弟チーム。兄としての威厳をかけて勝負に挑んだチーム“BIG BROTHER”のメンバーは、ゴンヒ、スンヒョク、ソンホの3人。一方、若さを武器に立ち上がったチーム“YOUNG BROTHER”にはヨンウク、シヒョク、J.Dが名乗りを上げた。

 客席を通ってステージに登場したメンバーたちは、これから始まるバトルのために、ストリート系、HIP-HOPスタイル、お父さんテイストのシックなジャケット、王子様風フリルシャツなどとそれぞれが個性的な衣装を身に着けている。

 ステージの上でまみえた両チームはお互いに勝つ気充分。「頑張ります!」と意気込む弟チームに「弱そうですね」と牽制をかけるお兄さんチームのソンホは、突然始まった即興ラップタイムにも「君らは“脳”が無い、僕のラップは、“No”」と華麗に対応してみせる。が、実際のラップで対決するのはゴンヒとシヒョク。「絶対勝つ気がします。ゴンヒさんはラップそんなに上手くない」と強気のラッパー、シヒョクに対しこの日のために一生懸命ラップの練習をしてきたというゴンヒは「そんな話全然耳に入らない」と立ち向かう。

 ダンス対決では「Apeace」のメインダンサー、ヨンウクにスンヒョクが挑む。「ダンスは言葉はいらないです。皆さんの目を楽しませます」と余裕を見せるヨンウク。スンヒョクも負けじと「今日の公演が終わる時にはメインダンサーが変わっていると思います」という大胆発言で対抗した。

 普段はルームメイトであるJ.Dとソンホは、日本の演歌で火花を散らす。自分の好きな演歌を歌えてうれしいと語るJ.Dは「部屋で寝ている時も、ソンホさんが今日歌う歌を横で練習していて本当にうるさかったです(笑)」とルームメイトならではエピソードを明かした。J.Dの十八番である演歌に挑戦するソンホは「やれるもんならやってみろ。僕も自信あるからね」と兄の威厳をアピールした。

 そしていよいよ最初のラップ対決がスタート。ゴンヒは「胃が痛いです…」と苦い表情を見せながらも、ファッションでもHIP-HOPを表現しようと楽屋で作った手作りアイテムなどを紹介するも、シヒョクからは「そのファッションはちょっとダサいですね」と一蹴されてしまう。

 そんなゴンヒもパフォーマンスがいざ始まれば、ビートに乗せて軽やかにスマートなラップを繰り出していく。「まだ終わってないよ!盛り上がっていきましょう!」とファンをあおりながらゴンヒスタイルのHIP-HOPステージを展開した。

 シヒョクはシリアスな雰囲気で日本語ラップを披露。メッセージ性の強い世界観を見事に表現し、客席からも大きな歓声が飛び交う。パフォーマンス後には「反応が良くてうれしいです!」と笑顔を浮かべた。

 続いてスンヒョクとヨンウクがステージに登場し、バトルはラウンド2へ突入。「僕の負けたくない気持ちを表現しました」と話すスンヒョクのピンクのヘアスタイルからも、この戦いにかける意気込みが伝わる。メインダンサーとしてのプライドをかけたヨンウクも「ヨンウクという人間は踊りを抜くとただの死体なんです。人生をかけて踊ります!」と気合充分だ。

 「サンドバッグを殴るようなイメージで、戦っている気持ちでやりました」と語るヨンウクのダンスは、汗や血を連想させるような激しさの中にセクシーさも垣間見える実に男らしいコンセプト。

 一方、緩急をつけた動きでスタイリッシュなダンスを披露したスンヒョク。途中キラリと瞬くようにアイドルらしい視線をファンへ向けるのはさすがの表情管理。「緊張してミスしたところもあった」と話していたが、そんなことは全く感じさせないステージでファンを魅了した。

 1対1の最後は、ソンホとJ.Dの演歌対決。「J.Dは演歌が得意なのでドキドキするんですけど、頑張るしかないですね」と緊張している面持ちのソンホと、「ソンホさんがどんなに頑張ってくれたのか楽しみなんですけど、僕も演歌のメドレーを準備したので皆さんを楽しませたいと思います!」と大好きな演歌をステージで歌えることがうれしくて仕方ない様子のJ.Dの姿はとても対照的で、パフォーマンスへの期待も高まる。

 先攻のソンホは和田アキ子の名曲「古い日記」を選曲。客席からも合いの手の声もバッチリ決まり、よく響く低音ボイスがソウルフルに唸りをあげる。シックなジャケットに前髪を上げてマイクを握る姿は、ベテラン歌手のような風格を漂わせていた。

 次に登場したJ.Dはフリルたっぷりのシャツに王子様ジャケットといういで立ちで、まさに“演歌の貴公子”。冠二郎の大ヒット曲「炎」から、近藤真彦の「スニーカーぶる~す」に鼠先輩の「六本木~GIROPPON~」というエンタメ感たっぷりのメドレーを、本物の演歌歌手顔負けのこぶしで歌い上げた。

 そして勝負はチーム戦へ。Wiiを使ったゲーム対決では真剣ながらもコミカルな動きを見せるメンバーたちと一緒に客席のファンも大盛り上がり。チャンバラバトルと100本ボーリングでの対決の結果、お兄さんチームが見事勝利。ファン投票にプラスされるポイントをゲットした。

 ファイナルラウンドではチームごとにユニットパフォーマンスを披露。「チームワークは最高です!」という弟チームは、若さを活かしたやんちゃなステージングで会場を盛り上げる。さらに曲の途中でステージを飛び出し客席を歩き回ってファンの心をぐっとつかんだ。

 「歳の怖さを見せてやります」と意気込むお兄さんチームも、組体操のようにゴンヒが車体、スンヒョクがハンドル部分を担当して再現した自転車をソンホがこぐという意表をついた歌いだしでつかみはバッチリ。コミカルな振付のダンスで、“かっこいい”だけじゃない年長者としての魅力を発揮した。

 すべての対決が終了し、ファンからの投票結果を待つばかりというところで、3月22日にリリースされたばかりの「Apeace」最新シングルから「どこまでも続く道を…」と「CHANGE my LIFE」を6人で披露。「どこまでも続く道を…」はちょっぴり切ない春の歌。何度も巡る季節の中で交差する出会いと別れ、それを胸に歩き続ける今という時間をしっとりと美しいハーモニーで表現した。

 明るいメロディーの「CHANGE my LIFE」では雰囲気を変えて、あたたかく澄んだ春の空に新しい出会いを予感するような前向きなパワーを、客席からのハンドクラップに乗せて届けた6人。それぞれに違って、それぞれに魅力的な個性が集まり、ステージの上で「Apeace」として完成する。そんな瞬間を目撃したような感動の中、いよいよイベントはクライマックスの結果発表の時を迎えた。

 両チームのパフォーマンスを見て、客席ファンがどちらかのチームに投票。その数にゲーム対決でのポイントが加算された結果で勝敗が決する。

 昼公演ではお兄さんチームが勝利したことがあらかじめ知らされた上で、勝負の行方がMCのAKIから発表される。夜公演の勝者は、なんとまたもお兄さんチーム!昼夜公演合わせての完全勝利をおさめ、4月の「Apeace」定期公演でのユニットパフォーマンス権を獲得した。

 イベントの締めくくりは、ソンホの「皆さん今日、外は雨ですよね?雨の時は何が必要ですか?」という問いかけから「UMBRELLA」を披露。ファンと交わす笑顔は、この日の雨空を素敵な思い出に変える色とりどりの傘のように、会場をあたたかいムードで包み込んだ。



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