Wコラム インタビュー

<Wコラム>放送開始した『イニョプの道』の歴史解説

■チョン・ユミの熱演が光る

 4月3日からNHK-BSプレミアムで始まった『イニョプの道』(原題/下女たち)。放送は毎週日曜日の夜である。

 物語の時代設定は15世紀初頭。良家の娘イニョプ(チョン・ユミ)は、名家の御曹司ウンギ(キム・ドンウク)と婚礼の日に悲劇に見舞われる。イニョプの父が陰謀に巻き込まれて逆賊として処刑されたのだ。しかも、イニョプは“逆賊の娘”として奴婢(最下層の身分)にさせられてしまう。

 そんなイニョプを支えたのが、ウンギであり、同じ境遇のムミョン(オ・ジホ)だった。この2人に助けられながら、イニョプはどうやって父の無実を晴らしていくのか。それがストーリーの骨格である。

 とにかく、厳しい運命を背負うことになったイニョプを演じたチョン・ユミの熱演がとても光っている。

 彼女の情念を感じさせる演技は、ドラマをしっかり引き締めており、多くの視聴者の胸に熱く迫ることだろう。

 なお、イニョプを助けるムミョンについて説明しておこう。

 韓国語で「ムミョン」とは「無名」を意味している。つまり、「生まれたときから名前がない」ことを指している。なんとも不遇な存在なのである。



■高麗王朝の王家の末路

 ドラマのキーポイントをさぐると、それは、イニョプの父が「高麗王朝の再興を狙って朝鮮王朝滅亡の謀叛を起こそうとした」という濡れ衣を着せられることだ。実際、『イニョプの道』には高麗王朝の再興をもくろむ秘密組織が登場する。

 こうした点を踏まえると、ドラマをより面白く見るためには、高麗王朝と朝鮮王朝の関係を少しでも知っておく必要がある。
 936年に朝鮮半島を統一した高麗王朝は長い歴史を歩んでいたが、1388年に武将の李成桂(イ・ソンゲ)がクーデターを起こして成功させる。これによって、高麗王朝は没落してしまう。

 やがて李成桂は自ら王になることを決意し、1392年に高麗王朝を滅ぼして朝鮮王朝を建国する。

 『イニョプの道』は朝鮮王朝が誕生してから十数年後を描いており、当時はまだ高麗王朝の復興をめざす残党が各地に残っていた。

史実のうえでも、朝鮮王朝は高麗王朝の王家一族を容赦なく全滅させようとして必死だった。

 建国当初には、「特別に島を用意しましたから、そこで安心して暮らしてください」と呼びかけて高麗の王家一族を集め、島に向かう船をあえて沈没させて乗っていた人たちを水死させる、という非道なことまで行なっている。

 このように、高麗王朝の王家一族を目の敵にしたのが朝鮮王朝だった。

 本来、高麗王朝の王家は「王(ワン)」という姓なのだが、自らの出自を隠すために、「王」という姓を「全」、「田」などと変えている。漢字を変えても、字画にすべて「王」が入っているところがミソなのである。

 こうした歴史をふまえて『イニョプの道』を見れば、ドラマがなお一層面白くなるだろう。




文=「ロコレ」編集部

2016/04/25 23:52入力




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