左からカン・ホンソク、チョ・ソンジェ、ゴニル、キム・ヨンナム、アン・サンウン
左からカン・ホンソク、チョ・ソンジェ、ゴニル、キム・ヨンナム、アン・サンウン
韓国ミュージカルが次々と上演され話題となっている、アミューズ・ミュージカルシアター(東京・六本木)。1月15日(水)から2月2日(日)まで「超新星」のグァンスゴニルを主演(ダブルキャスト)に迎え「RUN TO YOU ~俺たちのストリートライフ~」が上演される。本演目は2011年8月に韓国にて初演。その後韓国での再演を経て2012年10月に日本公演が大阪松竹座にて行われた。そして今回、待望の東京公演が決定!初日開幕直前にプレスコールが行われた。抽選で選ばれた約100名のファンも招待され、熱気に満ちあふれたものとなった。

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 「RUN TO YOU ~俺たちのストリートライフ~」は既存の楽曲を使用している「ジュークボックス・ミュージカル」というジャンルの作品である。韓国で絶大な人気を誇っているHIP HOPグループ「DJ DOC」のヒット曲を使い、さらにメンバーであるイ・ハヌルが音楽スーパーバイザーとして参加し、韓国の創作ミュージカルの新境地を開いた。メインキャスト3人がグループを結成し、デビューを目指して成長する姿を描いており、音楽にかける若者たちの熱い青春ストーリーが見どころだ。

 今シーズン一番の寒気に襲われた東京。その寒さを吹き飛ばすかのように、アミューズ・ミュージカルシアターにはプレスコール開始前から全国各地から集まったファンが列を作り、ワクワクした気持ちを抑えられない様子だった。会場内に入るとロビーにはファンや関係者らから届いたスタンド花や米輪がずらりと並び、初日開幕と成功祈願が華やかに彩られていた。今回のプレスコールは撮影OKということで、駆けつけたファンたちも開始前からカメラのスタンバイ。開幕前に作品の内容を見られるとあって、記者さながらの準備に会場の期待は大いに高まっていた。

 プレスコールはミュージカルの1幕のハイライトシーンからスタート。メインキャストのゴニル(ジェミン役)、キム・ヨンナム(スチャン役)、カン・ホンソク(ジョンフン役)がTシャツにジャージといったラフなスタイルの衣裳で、ナイトクラブのDJとして登場。3人がメジャー事務所にスカウトされ、デビューを目指して練習に励むシーン。照明がついたと同時に繰り広げられる生き生きとした演技、まもなく始まった「I WANNA」でのビートの効いたノリノリな音楽に会場のファンも一瞬にして引き込まれ、うっとりとした様子だった。ヘッドフォンを付けて巧みなジョッキーぶりを見せたり、低音を響かせてラップを歌ったりするゴニルの姿に、ファンもキラキラとした眼差しで舞台を見つめていた。本物のナイトクラブかと錯覚するような演出と出演者のはつらつとした表情に、会場の興奮度も急上昇。ダンサーたちも加わりブレイクダンスを披露するなど、ヒートアップするパフォーマンスに圧倒されっぱなし。音楽への情熱が込められたストレートな歌詞やスピード感あふれる展開、時折和ませてくれる笑いの要素もあり、一気にファンの心をわしづかみにした。

 続いてアン・サンウン(セヒ役)のソロ曲「今夜」。セヒもカラオケ屋でアルバイトをしながら歌手を夢見る若者で、ジェミンへの一途な思いを持つガールフレンド。そんなセヒに片思いしているスチャンの切ない恋模様が垣間見られる、甘酸っぱいシーンだ。アン・サンウンは伸びやかな歌声で聞かせ、かっこよくラップも披露。豊かな音域と声色を駆使し歌い上げる姿は圧巻。会場全体が吸い込まれるように聞き入っていた。チョ・ソンジェ(スチャン役)も登場し、一緒にセッション。目を合わせ、呼吸を合わせ、向き合いながら歌う姿が印象的。セヒは友情、スチャンからは恋心を含んだ視線が交わされ、想いの切ない交錯にファンもキュンと胸が締め付けられる表情でステージを見つめていた。

 最後はジェミン・スチャン・ジョンフンがデビュー後に初めて1位を獲得するシーン。ここで使用されている「RUN TO YOU」は韓国のメガヒット曲で国民のほとんどがその振付まで知っているほど。男性ダンサーの激しいブレイクダンスや女性ダンサーのセクシーなダンスからスタートし、目の前で繰り広げられる高度なパフォーマンスに、会場も大いに盛り上がる。そこにゴニル、キム・ヨンナム、カン・ホンソクがステージ奥から登場。スタッズの効いたロック調の赤のライダースジャケットに身を包み、力強い目線で登場した3人に会場も大興奮。雰囲気に合わせて歌い分け、個々のキャラクターが光る姿が印象的だ。音楽番組で1位を発表された演出では会場全体が盛り上がり、出演者のテンションも急上昇。体をめいっぱい使って歌い、踊る姿はまさに青春そのもの。ファンも晴れやかな表情でキラキラと輝く出演者の一瞬一瞬の表情をカメラに収めていた。最後は弾けるような笑顔で終わり、会場からは万雷の拍手が送られた。

 続いて取材会がスタート。ゴニル、キム・ヨンナム、チョ・ソンジェ、カン・ホンソク、アン・サンウンのメインキャスト5人がフォトセッションと質疑応答に応じた。フォトセッションでは取材陣に向けたポーズが送られる中、仲良く肩を組んだりうなずきながら目線を送ったりと、とても微笑ましい雰囲気。ファンもここぞとばかりにシャッターを切り、汗が光る俳優陣の笑顔をとらえていた。取材陣に向けたポーズのリクエストが行われる中、ゴニルは隙を見てファンにもポーズ。突然のファンサービスにファンも喜びを抑えられず、あちらこちらから歓声が上がった。その後まずはゴニルから「今日から始まりますが、緊張感が半端じゃないです。おととい、昨日とランスルーを行っていたので、体力的には落ち着いています。今日は雪が降るという…僕は雨男ですけど(笑) 雪が降るということで自分の中ではめっちゃ盛り上がっています。」と流暢な日本語であいさつ。ファンもゴニルの一言一言に頷きながら耳を傾けていた。続いてキム・ヨンナムが「今回ダブルキャストでスチャン役をやらせていただきます。言葉は違いますが、伝えたい思いは伝わると思うので公演を楽しんでいただければと思います。」とコメントし、同じくスチャン役を演じるチョ・ソンジェも「とても緊張しています。何度も上演され、皆さんの期待も大きいと思うのでその期待応えられればと思います。」と緊張した面持ちで語った。

 続いてカン・ホンソクが満面の笑みで「皆、かわいいね~。僕、ヤバいね~。」と日本語で会場を和ませる。愛らしいキャラクターでファンも一気に心つかまれた様子。加えて「東京のお客さんと一緒に楽しみたいと思っています。一緒に笑って一緒に踊っていただきたいです。」とあいさつした。そしてアン・サンウンが「いつか参加したいと思っていたこの作品にこの東京公演から参加できとてもうれしいです。これまでのセヒ役とはまた違ったセヒをご覧いただきたいです。」とあいさつした。前回の大阪公演から変わったところは?という質問にゴニルは、「前回は韓国でのドラマ出演なども重なり、練習が足りない気がしていて不安が大きかったです。今回は再挑戦ということで心配もあまりなく、しっかりと前々から役作りできました。でも、今日初めてのプレスコールで2回ほど間違えてしまいました(笑)」と、まさかの失敗告白にファンからも笑いが起こる。ゴニルに促され、キム・ヨンナムが巧みなビートボックスを披露し、それにゴニルやカン・ホンソクも加勢。会場は一層盛り上がりを見せた。チョ・ソンジェの美声も響かせ、ファンからも「フー!」と歓声が巻き起こる。

 紅一点のアン・サンウンにこの3人の男性キャラクターの中で共感できる人は?という質問がされ「もちろん愛しているのはジェミンですが、共感できるのはスチャンです。」との答え。勝ち誇ったようなガッツポーズを見せたキム・ヨンナムと、にやりと笑ったチョ・ソンジェ、うなだれて落胆の表情を隠しきれないゴニルに、会場も爆笑の渦に。初演から参加しているカン・ホンソクが作品の魅力について「人間としての、役者としての情熱やエネルギーを、作品やお客さんにストレートにぶつけている作品だからこそ愛されている。公演回数を重ねるごとにお客さんからの共感している気持ちが伝わってくる。最大の魅力は音楽だ。言葉は伝わらなくても音楽は伝わる。音楽の力を届けたい。」と熱くコメントし、作品への期待が膨らんだ。

 ダブルキャストのグァンスや他の「超新星」のメンバーにメッセージを求められたゴニルは、「グァンスとはさっきまでメールしていました。昨日の夜、新年会だったそうで『めっちゃ羨ましい!』と返信しました(笑) 役作りなどについていつも連絡を取り合っています。」とコメント。他のメンバーはグァンスが演じる際に観に来られるかもとのことで、少し寂しさも覗かせながらも「ミルキーウェイ(=超新星ファンの呼称)の皆さんがたくさん観に来てくれると信じて!」と言うと会場のファンからも「行くよー!」と声が飛び、和やかな雰囲気に包まれた。最後に「ミュージカルというものは形で残るものではなく、お客様の心に残るもの。瞬間瞬間を心に焼き付けてほしいです。今しかできない良い作品です。ぜひたくさん観に来てください。」と笑顔で締めくくった。

 主演のジェミンは1月15日(水)から 1月23日(木)までがゴニル、1月25日(土)から2月2日(日)までがグァンスが演じる。スチャン役もキム・ヨンナムとチョ・ソンジェがダブルキャスト。ミュージカル「RUN TO YOU ~俺たちのストリートライフ~」は2月2日(日)までアミューズ・ミュージカルシアターにて上演中。




2014.1.15『RUN TO YOU』プレスコール
2014.1.15『RUN TO YOU』プレスコール




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