チェ・ジウ主演ドラマ「怪しい家政婦」
チェ・ジウ主演ドラマ「怪しい家政婦」
5日、韓国の「放送通信審議委員会」は全体会議を開き、「喫煙、淫乱、暴行、殺人、自殺、賭博、悪口、スラング」など、青少年教育に有害とされるコンテンツ(せりふやコメントも含まれる)を使用した番組に対して法的制裁を下した。

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 また、子役(19歳までの未成年役者)が上記の有害コンテンツに関わった映像を制限をかけずにそのまま放映した地上波各局の番組に対しても「放送法」に則って「注意」または「警告」が勧告された。

 なお、このような勧告措置の対象には、「射幸心煽動、国家機密漏洩、不適切広告」などの事項も含まれている。違反した場合は、注意・警告・担当職員懲戒・罰金の順に適用されることになっている。

 韓国では、2010年から「青少年視聴保護時間帯」(平日の13時~22時、祝祭日の10時~22時)が法律で定められており、この時間帯には有害コンテンツの放送が厳しく制限されている。法案成立当初は、「表現の自由の侵害だ」、「知る権利の侵害だ」、「軍事政権の復活だ」などと反対の声も多かったが、少子化による保護者側の発言力が増大した影響などを受けて採決されるようになった。

 今回の制裁には、最近終映したチェ・ジウ主演の「怪しい家政婦」(韓国版「家政婦のミタ」)も含まれた。6歳の女児をはじめとする主人公たちの自殺未遂や青少年たちのスラング使用映像を複数回放送したことで「警告」受けた。

 また、「この××野郎」、「本当に×××みたいなやつ」などの悪口を機械音「ピー」で処理して放送した上、「あの女はどこで引っ掛けたの?もしかしエッチした?」など、性行為を連想させるせりふを「青少年視聴保護時間帯」に放送したKBSドラマ「未来の選択」に対しては「注意」を下した。

 さらに、「毒舌本音トーク」で人気のバラエティー番組「黄金漁場~ラジオスター」も、「この×××野郎の××××」、「あの××野郎がおしっこしたって」などの低俗な発言を同じく機械音処理で放送した上、「ベッドシーンは合意の上でやるか、アドリブでやっちゃうか」などの発言をそのまま放送したとして「注意」を受けた。

 一方、特定のブランドロゴを過度に露出し、不適切な宣伝効果を促したとしてケーブルテレビの番組にも制裁を下している。

 孔子の教えから完成された儒教は、古代中国から古代韓国や近隣国に輸出され、王朝の理念として使われた。中世には、本場の中国より、むしろ韓国で花が咲いたとの評価もある。その影響なのか、「儒教遺伝子」が今なお根強く生きている韓国においては、扇情的で淫乱なコンテンツが制限されることはある程度は仕方のないことである。

 しかし、悪口やスラング表現の制限においては、行き過ぎた措置が取られているようにも感じる。世界最多の表記発音数を誇る「ハングル」を発明した国柄上、言い回しの数が他の言語に比べても多くなるのは当たり前な現象。その派生物としてスラングや悪口の種類も必然的に増えていく運命にあるのだ。

 近代、国や民族の統合・結束が何より重要だった時期に、政治や学問が作り上げた「標準語、正しい言葉」という縛り。メディアが生まれてからしばらくは大きな役割を果たしてきた。しかし、メディアの発展が極度になっている今でも同じ流れで過度な規制をかけてしまうと、言葉本来の豊かな表現力が発揮されなくなる恐れもある。

 言葉の問題だけではない。豊かな表現力は、人間の思考や人間関係につながり、豊かな社会につながる要素になるからだ。

 今後も「放送通信審議委員会」に対する議論が続きそうだ。



「怪しい家政婦」ヘギョルをぶつ演技は恐ろしいです
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