【ソウル6日聯合ニュース】韓国と北朝鮮の統一費用が、東西ドイツ統一の費用とは比較できないほど大規模になるとの研究結果が出た。
 産業研究院は6日、「ドイツ統一20年の経済的教訓と示唆点」と題した報告書を公表し、その中で「朝鮮半島でドイツ式の統一を推進する場合、ドイツとは異なり南北の経済格差の解消に長い時間がかかり、統合による社会的衝撃と統一費用の負担もドイツと比較できないほど膨らむ可能性がある」と指摘した。
 その理由として、統一直前の旧東ドイツの人口は旧西ドイツの4分の1にすぎなかったが、北朝鮮の人口は韓国の2分の1で、1人当たりの国内総生産(GDP)は旧東ドイツが旧西ドイツの50%だった半面、北朝鮮は韓国の6%にも及ばないと指摘した。
 相対的に状況が良好なドイツの場合も統一後から2009年まで、旧西ドイツから旧東ドイツへの公共部門を通じた移転支出だけで約1兆6000億ユーロ(約184兆477億円)に上ったことを勘案すると、南北統一に天文学的な費用がかかるしかないとの分析だ。 
 特に、南北の社会保障制度を完全に統合すれば、北朝鮮住民の所得が低すぎるため、大多数が基礎生活保障と医療保護対象者になる可能性が高く、これに必要な支出は韓国が全額負担することになると説明した。
 また、義務教育をはじめとする北朝鮮の公共サービスを韓国の水準に引き上げるためにも大規模な財政支出が必要だと指摘。これまでの南北統一費用を算出した研究は北朝鮮経済を成長させるために必要な費用だけを計算したが、ドイツ式の統一を推進する場合、社会保障と公共サービス部門の支出にも莫大(ばくだい)な財政を投入しなければならないと強調した。
 南北の人口比率と所得格差を考慮すると、こうした費用は韓国が負担できない水準で、南北の経済格差がある程度解消されるまで南北の社会保障制度は分離して運営し、北朝鮮住民には北朝鮮の実情に適合した社会保障のみを提供すべきだと提案した。
 これとともに、統一後、南北間でドイツのように自由な移動を認めれば、社会的衝撃と労働市場での問題がドイツよりはるかに深刻になるため、北朝鮮住民の韓国移住を制限する必要があると主張した。
 同研究院は、完全な統合というドイツの統一方式を朝鮮半島で踏襲する場合、非常に深刻な問題が懸念され、朝鮮半島の実情に適合した水準の統合案を模索することのが望ましいと提言した。

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