金正恩氏=(朝鮮中央通信=聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
金正恩氏=(朝鮮中央通信=聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が10日の党大会で党総書記に選出された。父の故金正日(キム・ジョンイル)総書記と同じく政治的象徴である総書記の肩書を持つことで、名実ともに党の最高指導者であることを明確にしたといえる。  朝鮮中央通信は11日、前日に開催された6日目の党大会について「第8回党大会は金正恩同志を朝鮮労働党総書記に高く推戴することを決定する」と報じた。金委員長の党でのポストは、当初の第1書記から2016年に委員長、さらに今回、総書記へと変わった。 北朝鮮は12年の党代表者会で金正日氏を「永遠の総書記」に推戴し、同年の最高人民会議(国会に相当)では「永遠の国防委員長」として憲法に明示したが、20年の改正憲法では金正日氏を故金日成(キム・イルソン)主席とともに「永遠の首領」と位置付けている。 一方、金正恩氏の代弁者である妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は、北朝鮮の権力の中核である党政治局の候補委員から外れ、党部長の名簿にも名前がなかった。 今回の人事で最も注目を集めたのは、金正恩氏の最側近とされる趙勇元(チョ・ヨンウォン)党第1副部長だ。政治局常務委員に選出され、常務委員会は金正恩氏と崔竜海(チェ・リョンヘ)氏、李炳哲(リ・ビョンチョル)氏、金徳訓(キム・ドクフン)氏に趙氏を加えた5人体制となった。 趙氏はまた、党中央委員会書記と党中央軍事委員会委員にも任命された。要職を兼任することで北朝鮮の「ナンバー5」に浮上したことになる。 呉日晶(オ・イルジョン)党部長の超スピード昇進も目を引く。党中央委員会委員から政治局委員となった。同氏は、抗日パルチザン第1世代で金正日後継体制づくりの最大の功労者とされる故呉振宇(オ・ジヌ)元人民武力部長(国防相に相当)の三男。 政治局常務委員だった朴奉珠(パク・ボンジュ)党副委員長と政治局委員だった崔富一(チェ・ブイル)軍政指導部長はそれぞれ、すべての党ポストを退いた。 対米交渉を担当してきた外務省の崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官は党中央委員会の委員から候補委員に降格した。対中外交を担う金成男(キム・ソンナム)党国際部第1副部長は党部長に任命された。李善権(リ・ソングォン)外相は政治局候補委員のまま。 対韓問題を総括してきた金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長は、党書記ではなく党部長となっている。対韓担当の書記を置かず、党部長だけにしたとみられる。対韓担当だったチャン・グムチョル統一戦線部長は部長の名簿に名前がなかった。 北朝鮮はこれまで10人だった党副委員長を、7人で構成する党書記体制に変更した。顔ぶれをみると、対韓と外交の担当者を外したと思われる。 政治局常務委員は従来と同じく5人で、委員も合わせると19人からなる。候補委員は11人。 中央委員会の委員は138人、候補委員は111人となった。
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