今年0.2%成長に鈍化した場合、アジア通貨危機直後の1998年(マイナス5.1%)以来、22年ぶりの低成長を記録することになる。リーマン・ショックのあおりを受けた2009年(0.8%)よりも深刻な状況だ。
新型コロナウイルスの感染拡大が長期化し、経済活動の回復が来年以降にずれ込むなら、今年の成長率はマイナス1.6%に沈むとの悲観的なシナリオも提示。逆に事態の早期沈静化に伴う楽観的シナリオでは1.1%成長との予測を示した。
来年の成長率については3.9%と予想した。回復とはいえ、今年の落ち込みの反動を考えると潜在成長経路には乗れないとの説明だ。
KDIによると、韓国経済は現在、輸出と民間消費を中心に成長が急速に鈍化している。特に輸出は主要国の封鎖措置のために急減しており、成長率下押しの主因に浮上した。今年の輸出額は前年比15.9%減少し、19年(10.3%減)から2年連続マイナスとなる見通し。来年プラスに転じても4.1%増にとどまるという。
ただ今年の経常収支は交易条件の改善により、前年並みの594億ドル(約6兆4070億円)の黒字が見込まれる。来年は内需回復に伴う輸入の増加で黒字幅が409億ドルに縮小しそうだ。
民間消費は、対面接触を避ける傾向からサービス消費を中心に今年2%減少し、来年は5.3%増加する。設備投資は今年0.9%増にとどまった後、来年の伸びは7.9%に拡大すると予想した。
失業率については、今年は昨年より0.1ポイント悪化の3.9%、来年は4.1%になると予測した。また、今年の就業者数の増加幅は昨年11月時点で20万人台前半と予想していたのを0人に修正した。
KDIは「企業倒産や家計の破綻、失業などが起きれば、新型コロナ終息後も景気回復は鈍いだろう」とし、金融政策、資金供給、雇用安定に向けた政策が急がれると強調した。
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