会議で発言する洪経済副首相(中央)=8日、ソウル(聯合ニュース)
会議で発言する洪経済副首相(中央)=8日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官は8日、対外経済閣僚会議の冒頭、「(韓国に対する)日本の輸出規制措置は撤回されるべきだ」と述べた。

 日本政府は半導体やディスプレーの製造に必要な材料3品目の韓国向け輸出規制を強化した。これに対し洪氏は「世界貿易機関(WTO)協定に背くもので、韓国企業はむろん、日本企業、世界経済全般に否定的な影響を招く恐れがある」と指摘した。

 政府の対応に関しては、「韓国業界、国際社会との緊密な意思疎通、連携などを通じ、多角的かつ積極的な対応を続けていく」と述べた。韓国企業の被害を最小限に抑えるための支援にも注力する構えだ。

 会議では下半期の韓国経済を取り巻く環境とこれに対する対応が取り上げられた。洪氏は「米中貿易摩擦の場合は交渉再開など一部の進展があったが、先端技術の競争など複合的な要素が絡み、不確実性は続く可能性がある」とし、下半期に予定された国際的な議論の場が、世界経済の成長に向けた保護主義拡大の防止へ国際社会が一致した認識を示すきっかけになると見込んだ。

 韓国の下半期の経済政策運用については「多国間の自由貿易を基盤とするWTO協定の原則と主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)首脳宣言の趣旨通り、グローバル成長と貿易がバランスの取れた拡張を目指すよう、取り組んでいく」と説明した。先ごろ大阪で開催されたG20サミットは、首脳宣言に「自由で公正かつ無差別な貿易・投資環境の実現」に努めると盛り込んでいる。 

 洪氏は米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱などの不確実性に対し、「市場の変動幅が拡大する場合には、あらかじめ準備したコンテンジェンシープラン(緊急時の対応計画)に従って対応し、市場の多様化、産業の競争力向上など、政府として可能な措置を進めていく」と述べた。

 減少傾向の輸出に関しては、突破口を開くために輸出と海外インフラ受注への支援を強化すると説明した。月内に「輸出市場の構造革新戦略」を発表し、デジタル貿易など分野別の輸出対策を講じる計画だ。

 また、公共機関の海外進出の活性化に向け、重点を置く事業を選定して総合的な受注支援に取り組む。先端技術を活用したスマートシティの海外進出も目指す。


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