2008年に行われた6カ国協議で北朝鮮の首席代表を務めた金桂官氏(右)と当時、米首席代表を務めたクリストファー・ヒル元国務次官補(資料写真)=(聯合ニュース)
2008年に行われた6カ国協議で北朝鮮の首席代表を務めた金桂官氏(右)と当時、米首席代表を務めたクリストファー・ヒル元国務次官補(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金桂官(キム・ゲグァン)第1外務次官(75)が16日に久々に表舞台に登場し、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)らが主張する強硬的な北朝鮮核問題の解決方式に反発したことで、その意図に注目が集まっている。金氏はこの日発表した談話で「われわれはボルトンがどういう者かを明らかにしたことがあり、今も彼に対する拒否感を隠しはしない」と述べた。  このような発言から今後、金氏がボルトン氏の発言に反論する役割を担うとの見方が出ている。 金氏は1994年の朝米(米朝)枠組み合意の際には北側の次席代表として米国と交渉し、米クリントン政権時代にはミサイルやテロに関連する会談で首席代表を担った。  また北朝鮮核問題を巡る6カ国協議では、北朝鮮の核放棄を明記した2005年9月19日の共同声明採択、07年2月13日の北朝鮮核施設の稼動停止を含む合意、続く10月3日の核施設無能力化などの合意が行われた際に首席代表として当時の米ブッシュ(子)政権で国務次官補を務めたクリストファー・ヒル首席代表との交渉に当たった対米交渉の専門家だ。 ブッシュ(子)政権当時、ボルトン氏は対北朝鮮強硬論をリードした理論家として知られ、金氏は同政権との交渉の経験から、ボルトン氏の主張に精通している。 そのため金氏は今後、トランプ大統領との交渉を控えた金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の助言者として情報提供などを行うとみられる。 実際に金氏は北朝鮮が3回目の核実験(13年2月12日)の実施を決める際に、金委員長が招集した国家安全保障や対外部門の高官7人うちの1人に含まれており、核問題を巡る対米交渉の中心にいることが確認された。 ただ金氏は16年11月に金委員長が在北朝鮮キューバ大使館に訪問した際に同行したのを最後に公の場でその姿が確認されることはなかった。南北首脳会談だけでなく、2回にわたる朝中首脳会談の場でも金氏の姿は確認されず、9日に平壌で行われた金委員長とポンペオ米国務長官との会談の場にも同席しなかった。  金氏が久しぶりに表舞台に表れ、米国に対する批判的なメッセージを発表したことで、朝米首脳会談を前に双方の参謀による本格的な頭脳戦が始まったとの見方が出ている。
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