俳優ドン・ヒョンベ
俳優ドン・ヒョンベ
11月3日(木・祝)に開幕した「第3回新大久保映画祭」の広報大使を務める、俳優で「BIGBANG」SOL(テヤン)の兄ドン・ヒョンベ。

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 2006年、映画「華やかではない告白」でデビューし、その後はドラマ「美男<イケメン>バンド~キミに届けるピュアビート」、T.O.P(BIGBANG)主演の映画「同窓生」などドラマや映画、舞台などに出演してきたほか、バラエティ番組でもトークセンスを発揮するなど、マルチに活躍している。

 このたび、広報大使として同映画祭のPR活動をしているドン・ヒョンベが、開幕式直前の忙しい合間を縫ってインタビューに応じ、広報大使に起用された心境から、「同窓生」で共演したT.O.Pや弟SOLの話、最新作「非正規職特殊要員」の撮影秘話まで率直に語ってくれた。


<B>―「新大久保映画祭」の広報大使に選ばれ、どんなお気持ちですか?</b>
とてもありがたいです。広報大使に選ばれたことを初めて聞いたとき、ビックリしたんですよ。だから、こうして日本に来てみて感慨深いし、じわじわとうれしさがこみあげてきました。改めて、僕を広報大使に起用してくださった関係者にお礼の言葉を言いたいです。

<B>―新大久保の街には、映画祭ポスターと同じ写真の垂れ幕が掲げられ、自分の顔が日本の街にあふれているのを見て、どう感じましたか?</b>
正直…、(照れくさそうに)分からないです。妙な気持ちになりました。自分じゃないみたいだし。僕が好きな新大久保の街で、自分の姿を目にして、ハロウィンで自分が計画したイベントをしているような気分にもなりました(笑)。

<B>―作品ではなく、広報大使として出るお一人の写真なので、感じ方も違ったのではないかと思いますが。</b>
そうですね。正直に言うと、多くの映画に出演してきた俳優ではないので、僕のために頑張ってくださった関係者やスタッフには本当に感謝しているんですが、恥ずかしさもあります。もっと頑張らなきゃという。今回の写真を見て、妙な気持ちになるのは、もっと頑張らなきゃという思いが大きいからだと思いますね。

<B>―今回の来日で、大阪ではファンミーティング、名古屋ではサイン会をしてから、東京に来られましたが、大阪と名古屋の印象はいかがでしたか?</b>
大阪は好きな都市で、行くたびにいい印象を受けます。今回初めてユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ったんですが、またもう1回に行って、次は朝から晩まで楽しみたいですね。名古屋は滞在時間が短かったんですが、おいしいコーヒーを飲みました。韓国にはないスタイルのコーヒーショップだったので、温かい雰囲気が伝わってきて、すごくよかったです。

<B>―映画祭のオープニング作「同窓生」に出演され、いつもくしを持ち歩いてヘアスタイルを気にするような、T.O.P(BIGBANG)さんをいじめる不良高校生役を演じられましたが、演じてみていかがでしたか?</b>
撮影当時、30歳か31歳ぐらいだったと思うんですが、高校生の役を演じるというのがちょっと…(笑)。僕の高校時代の高校生と今の高校生とでは、だいぶ違うんですよ。それで、役についていろいろ考えていたとき、たまたま友達と光州(クァンジュ)に遊びに行ったんですが、2階にあるコーヒーショップの窓から外を見ていたら、ある学生がガラスに反射して映っている自分の姿を見ながら、くしで髪をとかしていたんです。それを見た瞬間、“あっ、あれだ!”と。あの学生みたいに表現すればいいんだと思って、すぐ下に降りていって、「君、何年生?」って聞いて、彼と10分ぐらい2人で話をしたんです。

<B>―その学生は急に声を掛けられて、ビックリしたんじゃないですか?</b>
ハイ、ビックリしているのを「僕は変な人じゃないから」って落ち着かせて、「君すごくカッコいいけど、どこで髪を切っているの?」「学校では成績何位ぐらい?」とか自然に聞き出して、彼が「もう行かなきゃ」って言うんで、「じゃあね」って(笑)。

<B>―話を聞いて、役作りの参考になったと?</b>
役のイメージと重なりましたね。あとは、スンヒョン(T.O.P)をどうやっていじめるか、どうやってからかうか、ということばかり考えていました(笑)。

<B>―T.O.Pさんとの共演はいかがでしたか?</b>
主演だからいろいろ大変だったと思いますが、すごくよくしてくれましたよ。共演するシーンではすごく気を遣ってくれたと思います。

<B>―T.O.Pさんとは「同窓生」で共演する前から知っている間柄だと思いますが、撮影前、映画に関して何かお話をされたりしたんですか?</b>
台本読み合わせのとき、いろいろ話しましたね。「ヒョン(兄貴)、出てくれてありがとう」と言われたし、僕も「お前と一緒に演技ができてうれしいよ。こんな日が来るなんて」というような会話を交わしたと思います。

<B>―弟のSOLさんは「同窓生」を見て、何かおっしゃっていましたか?</b>
「良かったよ」って一言だけ。

<B>―そうなんですね。他の作品でも、あまり感想を言ったりしないほうですか?</b>
僕が舞台に出演するときは、毎回見に来てくれるんですけど、家族だから、ああだこうだと言ったりしないですね。

<B>―同じように、ヒョンベさんもSOLさんの活動に対して、あまり感想を言ったりしないですか?</b>
言わないですね。SOLはよく頑張っていますよ。言うとしても、「よかったよ」、「お疲れ」、「ちょっと休め」、「ゆっくり寝ろ」とか。男兄弟なんで、べったりした関係ではないですね。

<B>―ヒョンベさんのInstagramには家族写真も掲載されることがあり、ご家族は仲が良いように見受けられますが。</b>
仲は良いですね。言葉で表現しないだけです(笑)。

<B>―次回作は、来年公開の映画「非正規職特殊要員」で、ハン・チェアさんとロマンスを演じますね。</b>
(照れたように)はぁ…。撮影現場では、ハン・チェアさんをずっと見詰めていて、いい感じだったんですけど、ずっと片思いする役でした(笑)。監督に冗談で、「映画に続きがあるとしたら、2人は結ばれますか?」って聞いたんですけど、どうやらダメみたいです。ハハハ。

<B>―刑事役ということですが、役作りはされたんですか?</b>
役としては刑事なんですが、刑事が活躍するような大きな事件があるわけではないので、監督からは刑事らしくせず、最近のどこにでもいる若者のように演じてくれと言われました。もちろん、刑事の仕事のシーンではプロフェッショナルに、それ以外は普通の若者のようにと。

<B>―撮影で大変だったことはありましたか?</b>
実はきのう、高校時代の友達が日本に来たんで、夜遅くに会っていたら、深夜2時に撮影監督から電話がきたんですよ。きょう「非正規職特殊要員」がオールアップしたんで、最後みんなでお酒を飲んでいたと思うんですけど、「会いたい」と。だから、「僕、いま日本だけど大丈夫ですか?」って言ったら、国際電話だと分かったからか、監督が言いたいことだけを言って、切っちゃったんです(笑)。
何で電話をくれたかというと、撮影期間中、僕が一番先に現場入りして、最後に帰るということが多かったんです。僕のシーンから撮り始まって、僕のシーンで撮り終わるという。だから、待ち時間が多かったことに対して、撮影監督が謝る必要はないのに、「ごめんな。一番苦労をかけたな」って。僕としては、自分の演技さえ良ければそれでいいと、別に気にしていなかったんですけど、撮影監督から労ってもらい、「よく頑張った」と言ってもらったので、ありがたいなと思いました。そういう意味で、大変だったことを挙げるなら、撮影というより、待ち時間ですね。いつも現場には10時間ぐらいいたんですけど、寝てしまうと顔がむくんでしまうから、寝ることもできないし、することもないし…。だから、マネジャーさんにハン・チェアさんの役をやってもらって、セリフ合わせをしたりしていましたね(笑)。

<B>―今回はアクションシーンもあるとか。</b>
ジャンルとしては「コメディ・アクション・ドラマ」なんですが、僕もアクションシーンが突然、追加になったんです。だから、アクションシーンができたと聞いて、「ありがとうございます!頑張ります!」と。武術監督に教えてもらった動きをマネジャーさん相手に練習して、本番は1回で終わるように集中してやったので、上手くできたと思います。
あと、銃で撃たれるシーンがあって、腕の辺りから手にかけて、血のりメイクをしたんですが、その後、雨に打たれるシーンだったんで、普通なら雨で血が流れ落ちるじゃないですか。それなのに、ずっと血が残っていたんですよ。それで、なんだろうと思ってよく見たら、アクションシーンで肘がすりむけていて、そこから血が出ていたんです。血のりメイクの技術はすごいなと思っていたら、自分の血だったという(笑)。

<B>―韓国のインタビューで、「私たち結婚しました」に出演したいとおっしゃっている記事を見たんですが。</b>
そう答えたら、番組からオファーがくるんじゃないかなと思って。まだ連絡はきていませんが(笑)。

<B>―「私たち結婚しました」なら、自分の全てを見せられるとおっしゃっていましたが、ご自身はどんな性格だと思いますか?</b>
最近、自分でもよく分からないです(笑)。きのう、高校の友達に会ったら、高校時代に戻ったような感覚になったり、一人でいるときは静かな性格だと思うし、季節によっても違うし…。確実に言えることは、相手が楽でいてくれると、自分も楽だということです。でも、それって他人といるとき、周りに合わせてしまい、自分というものがないということなので、直さなきゃいけないとは思っているんですけどね。

<B>―きょう短い時間ですけど、こうしてお話をさせていただき、思っていることを率直にストレートに話す方だなという印象を受けました。</b>
嘘は大嫌いですね。それで、よくケンカになったりもするんですけど(笑)。嘘がつけないんで、好きなら好き、嫌いなら嫌いとはっきり言ってしまって、角が立つときもありますね。

<B>―今後、どんな俳優になっていきたいですか?</b>
息の長い俳優になりたいです。年を取っても、台本が読めなくなるまで、演技を続けていきたいです。

<B>―お芝居がするのが本当にお好きなんですね。演技の魅力って何ですか?</b>
演じるときの大変さが好きなんですよ。いろいろ葛藤もするし、すごくつらくて、死にそうなんですけど、その苦しみを経た分、イメージ通りの演技ができたときの満足感、達成感といったら、もう最高ですね。

<B>―最後に日本のファンにメッセージをお願いします。</b>
いつも感謝しています。応援していただいている分、その期待に応えられるよう、堂々とした俳優になりたいと思っています。もっとステキな俳優になって、また皆さんとお会いしたいと思いますので、他の人には目を向けず、僕だけを好きでいてくれたらうれしいです。


 短い時間でのインタビューだったが、表情豊かにジェスチャーなども交えながら、人柄が分かるようなエピソードをたっぷりと語ってくれたドン・ヒョンベ。インタビューが終わると、立ち上がって自ら手を差し出し、「ありがとうございました」と両手で握手をしてくれるなど誠実さを見せ、帰り際には茶目っ気たっぷりに「僕だけを見てくださいね」と念を押し、日本語で「また会いましょう~!」と笑顔で去っていった。

 そんな魅力あふれる彼が、クランクアップしたばかりだという映画「非正規職特殊要員」で、どんな姿を見せるのか。今後の活躍がますます楽しみな俳優だ。


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