(画像提供:wowkorea)
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言論・マスコミの存在意義の一つは、権力に対するけん制にある。

ユン・ソイ の最新ニュースまとめ

権力側はマスコミが都合の悪いニュースを伝えると、それを「フェイクニュース」として扱おうとする。本当のフェイク(偽)ニュースと、都合が悪いから「フェイクニュース」に仕立てられたニュースは直ぐには区別が難しい。

ニュースは文字どおり「News(新しいもの)」であり、知見・見識が不足している大衆は新しいものに対する判断力が弱い。本来なら見識者が大衆に解説することでその真偽を検証してあげるべきだが、大勢の見識者は沈黙するばかりだ。権力からの不利益を恐れているからだ。

今までの韓国社会は数々の「フェイクニュース」で揺れていた。時事漫画家のユン・ソイン氏がこのマンガで指摘していることだけでも、次のとおり。

●米国産の牛肉は狂牛病が多く、食べると脳がボロボロになって死ぬとのフェイクニュース、
●米国とのFTAで韓国が滅びるとのフェイクニュース、
●済州島に海軍基地を作ると、世界文化遺産に指定されるべき岩が壊れるとのフェイクニュース、
●保守政権時代の首相候補に対する親日フェイクニュース、
●セウォル号の沈没事故が米軍潜水艦と衝突して起きたとのフェイクニュース、
●韓国の米軍基地に終末高高度防衛ミサイル「THAAD」配備すると、電磁波により住民の健康被害が発生するとのフェイクニュース、

等々、漫画家が実例として挙げているフェイクニュースだけでも記憶に新しいものだ。

パク・クネ(朴槿恵)前大統領の弾劾もフェイクニュースの犠牲になっている部分が多いとユン氏は分析している。そのお陰で権力を握ったムン・ジェイン(文在寅)政権は早速「フェイクニュース取り締まり」を始めている。

麦わら帽子を被った中国で権力者が「あの鳥は悪い鳥だ」と決めつけたことで、スズメが殺され大飢饉が発生したことを風刺し「あのニュースはフェイクだ」とする場面もある。

「この漫画もフェイクだ」と言う権力にリンチされる漫画家の姿。過去、学生運動で軍事独裁と闘った「民主主義」勢力が今や権力を握り軍事独裁と同じ怪物に変わろうとしている。漫画家は「民主主義を救い出せ」と言いながら、「気に入らないからといってフェイクニュースではない」と泣きながら叫ぶ。この漫画家の姿は、まさに「沈黙を破った見識者」の姿である。

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