韓国軍の女軍募集のポスター(画像提供:wowkorea)
韓国軍の女軍募集のポスター(画像提供:wowkorea)
韓国女性が軍隊に徴兵される可能性ができた。兵役制度について、男女ともに最大100日間の強制基礎軍事訓練を受ける「男女平等服務制」の導入のこと。しかも、革新系の執権与党「共に民主党」からの意見である。来年の次期韓国大統領選挙に出馬の意思を示しているパク・ヨンジン議員の主張だ。

パク議員は、女性の軍服務によって服務期間を現在よりも大幅に減らすことができる上、兵役義務の免除や回避をめぐる議論もある程度は解消できると強調。自身の著書「パク・ヨンジンの政治革命」でも同様の主張を展開しており、韓国メディアは「今回の提案はパク議員の大統領選挙公約の大きな基礎になると思われる」と伝えている。

韓国に男性国民皆兵の強制徴兵制度が存在することは、日本でもよく知られているが、この制度が今、岐路に立たされている。現代の韓国社会の実情を鑑み、今後の在り方をめぐって、韓国内で議論が起きている。

韓国の兵役制度では、18歳以上の男性に兵役を義務付けている。男性は原則として28歳までに入隊しなければならない。満18歳で徴兵検査対象者となり、19歳になる年に徴兵検査を受ける。健康状態や精神状態が調べられ、1~7級に判定される。1~3級までは「現役兵」とされ、基本は即入隊となる。服務期間は所属する部隊によって異なるが、約1年半から2年ほどとなっている。

最近では、世界的な活躍を見せている人気アイドルグループ「BTS(防弾少年団)」のメンバーで、グループ内の最年長JIN(ジン)の入隊時期をめぐる議論が端を発し、兵役法が改正された。28歳までとしている兵役の期限を、文化勲章・褒章受勲者のうち、「優秀者」に限り、満30歳まで入隊を延長できるようになった。改正法は今年6月から施行され、これによりJINの入隊は30歳まで延長される道が開かれた。

これまで、芸術家やスポーツ選手などに対する特例はあったが、芸能人に対しては明確な基準はなかった。アイドルが人気絶頂期に兵役に就くことは大きな痛手だ。「芸能人も国家発揚に貢献しているのに兵役特例の対象にならないのはおかしい」との世論の声が反映された形で可決したこの改正法は「BTS法」とも呼ばれ、制度緩和に大きな風穴を開けたと言える。

一方、韓国で急速に進む少子化が、兵役制度の存続をも揺るがしかねない深刻な影響を及ぼしている。徴兵による兵力は2025年には戦力維持の水準を下回るという、韓国のシンクタンクの試算もある。不足する徴兵数を補うための提案として、「女性も徴兵対象に加えるべきだ」という意見だ。韓国の公共放送KBSが昨年行った世論調査では「女性も徴兵すべき」との回答が52.8%を占めた。

朝鮮半島の力関係の変化は東北アジアの安定と繁栄に大きな妨げとなっている。北朝鮮の核の脅威と中国の覇権主義と太平洋進出。日米同盟とは程遠く過剰な反日主義や民族主義で弱くなりつつある米韓同盟に危機を感じる。

日本統治による近代化で朝鮮半島の軍事制度も近代化された。1950年に勃発した半島の動乱「6・25戦争(朝鮮戦争)」以降、約70年にわたって続いてきた韓国の強制徴兵の兵役制度。昨今の韓国社会の実情に則した形での変化を今後も求められることになるはずだ。
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