「アイたちの学校」のポスター=(聯合ニュース)
「アイたちの学校」のポスター=(聯合ニュース)
【東京聯合ニュース】朝鮮学校の歴史と現状を描いたドキュメンタリー映画「アイたちの学校」の上映会が19日、東京の参院議員会館で開かれた。 元文部科学省事務次官の前川喜平氏が朝鮮学校の高校無償化排除や補助金廃止について、「国が率先して行っている官製ヘイトスピーチ(差別扇動表現)だ」と指摘する場面では観客が共感する様子を見せた。 前川氏は学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡る問題で、計画に安倍晋三首相の関与があったとの見方を示した人物。日本の高校の授業料を無償化する政策にも関わり、当初、朝鮮学校も無償化の対象だったが排除されたと主張している。 「アイたちの学校」は日本政府の組織的な妨害から朝鮮学校を守ろうとする人たちの姿を描いたドキュメンタリー作品だ。過去から現在にわたる朝鮮学校に対する差別と弾圧を紹介する一方、そのほかの学校の子どもたちと変わらない朝鮮学校の子どもたちの明るい姿を見せる。  だが日本政府は朝鮮学校を無償化の対象から除外し、地方自治体は朝鮮学校に対する補助金の支給を中止している。 上映会には在日コリアンや日本人などの観客約50人が参加し、朝鮮学校のこれまでの歴史を見て涙を流す姿も見られた。 上映会に参加した立憲民主党の那谷屋正義参院議員は、文部科学省について、子どもの立場で教育を考えていないとし、政治問題を教育に持ち込み、教育の中立性を損なっていると批判した。 同作品は在日コリアンの高賛侑(コ・チャンユ)氏が監督を務めた。1月に公開された後、日本全国から上映に関する問い合わせが相次ぐなど反響を呼んでいる。 当初は大阪で1週間公開する予定だったが、5週間に延長され、上映館は名古屋、広島、神戸、栃木、群馬などに広がった。  韓国でも5月末に開幕する釜山平和映画祭で上映される予定で、その後、正式に公開される見通しだ。 現在、インターネットで資金を募るクラウドファンディングを使って韓国語と英語の字幕制作費用を集めている。
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