演説する文大統領=13日、シンガポール(聯合ニュース)
演説する文大統領=13日、シンガポール(聯合ニュース)
【シンガポール聯合ニュース】シンガポールを国賓として訪問している韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は13日、シンガポール市内のホテルで開催された講演会「シンガポール・レクチャー」で演説した。

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 文大統領は「韓国は朝鮮半島の完全な非核化と平和を基盤に新たな経済地図を描くことになる。南北は経済共同体を目指し進むだろう」と述べた。

 また、「誰もが自身の実力を公平に発揮でき、平和の上に繁栄が花開く朝鮮半島を築き上げたい」とした上で、朝鮮半島の平和が実現すればシンガポール、東南アジア諸国連合(ASEAN)と共にアジアは世界で最も繁栄する地域かつ人類の未来を明るくする希望になるとの見方を示した。

 4月と5月に行った北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)との会談に言及しながら「金委員長は理念対決から脱し北を正常国家に発展させようとする意欲が非常に高かった」と振り返った。金氏が非核化の約束を守れば北朝鮮を繁栄へと導くことができるとの見解を示した上で、「決して平たんな道のりではないが首脳間の合意を真剣に履行すれば目標を達成できるだろう」と述べた。

 文大統領は「北が非核化履行策をより具体化させ、韓米が相応の包括的な措置を迅速に推進すればスピードはさらに早まるだろう。政府は1日も早く平和体制が実現し、経済協力が始まるよう努力する。板門店宣言と朝米(米朝)首脳会談での合意が地球上で最後の冷戦を終息させた合意として記録されるよう国際社会と協力する」と強調した。

 続けて、「私とトランプ大統領は強固な韓米同盟を土台に北の核問題を解決していくとの認識を共有してきた。こうした共通認識の下、両国は北の平昌冬季五輪参加、南北の特使団の往来、南北・朝米首脳会談開催に至る歴史的大転換の全過程を共にし、これからも共にするだろう」と述べた。

 また、安倍晋三首相とも朝鮮半島の完全な非核化という共通の目標に向けて緊密に意思疎通を図り、協力関係を構築してきたと説明。「南北関係の正常化は朝米関係の正常化に続き朝日(日朝)関係の正常化につながるだろう。朝日関係の正常化は朝鮮半島と北東アジアの平和と安定に大きく寄与する」としながら、日本とも最善を尽くして協力する方針を明らかにした。

 文大統領は、韓国とASEANの協力と交流拡大のためにさまざまな枠組みが既に構築されているが、これら枠組みの中に北朝鮮を入れることが重要だとの考えを示した。

 北朝鮮が非核化措置を真摯(しんし)に実践する場合はASEANが運営するさまざまな会議に北朝鮮を参加させ、北朝鮮との交流と協力が強化されることを望むとともに、北朝鮮が国際社会の責任ある一員としての役割を担うことができるよう機会を作らなければならないと力説した。

 文大統領は「韓国は理念の対決により長い間悩まされてきた。南北分断は理念を前面に掲げた腐敗・特権・不公正を容認し、これにより多くの力を消耗した。しかし、韓国は今、公正で正義ある社会を作り上げている。この過程でシンガポールを見習う点がとても多い。シンガポールの大胆に想像し大胆に実践する力も実力と実用、清廉と公正によるものだと思う」と語った。

 韓国にとってASEANは経済発展を成し遂げる貿易パートナーであり投資対象国であるとともに、家族のような関係へと発展しているとした上で、「ASEANと韓国は不足している部分を補い合い、互いに利益となる関係であり、平和と共同繁栄の未来を開く最適なパートナーだ」と述べた。

 また、「私はASEANとの関係を米国、中国、日本、ロシアの朝鮮半島周辺の主要国と同じ水準に格上げし発展させていくという戦略的ビジョンを持っており、新南方政策を重点的に推進している」と強調。新南方政策については「人・共生繁栄・平和のための未来パートナーシップ」を構築するものであり、より多く、より頻繁に人的交流を行い、実質的な協力を通じて共生繁栄の機会を広げ、朝鮮半島とASEAN、ひいては世界の平和のために共に寄与するというものだと説明した。


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