【ソウル聯合ニュース】韓国政府が科学的調査目的の捕鯨に向けた準備を進めてきたことが27日、分かった。
 政府や環境団体によると、韓国農林水産食品部は調査捕鯨の計画書を国際捕鯨委員会(IWC)に提出することを検討している。
 同部関係者は「計画書を提出するかどうか、今週か来週初めに決定する予定」と明らかにした。IWC加盟国や韓国内外の環境団体、漁業者など各界の意見を取りまとめており、関係官庁とも協議するという。クジラを殺傷しない方法の調査についても活発に話し合っているとした。
 調査捕鯨を行う場合、IWC科学委員会の開催半年前までに計画書を提出しなければならない。来年の委員会は6月3日を予定しており、来月3日が提出期限となる。
 調査捕鯨は商業捕鯨とは異なり、IWC加盟国による表決が必要ない。科学委員会も計画書を検討し勧告を出すものの、強制力は持たない。
 農林水産食品部は今年7月のIWC年次総会で、捕鯨を再開する方針を示した。しかし、国際社会から強い批判を浴びると、「捕鯨せずに調査目的を達せられる方法があるならば、調査捕鯨をしない可能性がある」と一歩後退した。この発言は韓国政府が捕鯨計画を事実上撤回したものと解釈された。
 韓国政府が捕鯨計画書の提出を検討していることが明らかになったことから、環境団体は反発を強めている。
 国際環境保護団体のグリーンピースはホームページ上で、韓国政府に調査捕鯨の公式撤回を求めるメッセージを世界中から受け付けている。同団体の韓国事務所はこれらのメッセージを28日に韓国国務総理室に届ける計画だ。

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