【ソウル27日聯合ニュース】北朝鮮では最近、軍部隊にも食糧が十分に供給できず、集団で脱走した軍人らが住民の食糧を強奪する事件が頻発に起きているようだ。
 米政府系放送局のラジオ自由アジア(RFA)が27日、中朝国境地域の住民の話を引用して報じた。それによると、江原道休戦線地域の第1軍団と第5軍団所属部隊の軍人は食糧難に耐えられず、集団で脱走するケースが多い。軍人らは「苦労する人民軍隊を支援しろ」と言い、食糧などを奪い、暴力を振るうこともあるという。
 平安北道の消息筋は同放送で、昨年に中央党が水害農民の負担を軽減するとし、協同農場の軍用米徴収を大幅に減らしたため、軍の食糧確保に問題が生じたと指摘。栄養失調の軍人が急増するほど事情が厳しく、軍隊の腐敗も深刻になっていると明らかにした。
 また、軍用米徴収の軽減措置は金正日(キム・ジョンイル)総書記の後継者となった三男の正恩(ジョンウン)氏の配慮と宣伝されたが、各協同農場が被害規模を膨らませて報告し、軍用米の調達に大きな支障が生じたと補足した。
 RFAは北朝鮮専門家の分析を引用し、デノミネーション(通貨呼称単位の変更)に続き、今回も現実に見合わない政策を実行したが、失敗すれば、正恩氏へに対する不信がさらに広がると予想した。
 同放送によると、北朝鮮当局は昨年に年間必要分の軍用米160万トンを確保できず、1月中旬から住民から献納を受け始めた。それでも実績が振るわず、10万トンを目標に徴収に乗り出したという。

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