【ソウル22日聯合ニュース】韓日強制併合から100年を迎え、韓国企業が世界市場で日本の競合企業を抑えた「克日(日本に勝つ)」のケースに関心が集まっている。
 1945年の日本による植民地支配からの解放と1950年の朝鮮戦争以降、厳しい経済環境のなか、日本企業を模倣する形で事業を始めた韓国の企業は、大胆な投資やチャレンジ精神を武器に世界市場を次々と席巻した。一部の企業は日本企業が追いつけないほどの確固たるグローバルリーダーの地位を確保している。

 なかでも、サムスン電子の「半導体神話」は克日の最たる例として挙げられる。日本の電子メーカーが世界市場を支配していた1980年代、同社は半導体事業に進出。1983年、世界で3番目に64K DRAMを開発し、1992年にはDRAM半導体分野で日本を追い越し、世界トップに浮上した。その後、NAND型フラッシュなど製品別に世界市場を席巻し、半導体市場の最強者となっている。

 世界のテレビ市場でも1~3月期にサムスン電子が18.2%、LG電子が16.5%のシェアを占め、それぞれ1位と2位を記録、ソニー(6.8%)、東芝(6.2%)などの日本企業との格差を広げている。

 造船業界での善戦も目覚しい。解放当時、韓国は船舶の建造能力が年間2万GT(総トン数)にすぎなかったが、現代重工業や韓進重工業、サムスン重工業、大宇造船などが相次いで造船事業に参入し、1999年には年間受注量542万9000CGT(標準貨物船換算トン数)で世界市場の30.1%を占め、540万5000CGTの日本を追い越し始めた。2003年からは受注量、受注残量、建造量でいずれも日本を抑えている。業界では、一足早い投資、新工法の開発、政府の支援を成功要因として挙げている。

 自動車業界の場合、1990年当時の韓国自動車業界の総生産台数は約132万台で、日本のトヨタ自動車の生産台数400万台にも及ばない水準だった。今も日本勢は健在だが、現代・起亜自動車の上半期(1~6月)の欧州販売台数(32万1875台)はトヨタ自動車(31万253台)を上回ったほか、中国市場でも1~7月に55万9381台を販売し、トヨタ自動車(43万3366台)を追い抜いた。

 三洋電機とソニー、パナソニックなど日本企業が先取りしていた2次電池市場でもサムスンSDIとLG化学の成長が目立つ。ことしサムスンSDIが三洋電機を抜きトップとなり、LG化学がソニーとの格差を拡大すれば、韓国企業が初めて世界市場を制覇できると期待されている。

 航空部門では、日本企業と比較できる明確な基準はないが、韓国の航空会社のサービスが2000年代に入り、日本よりはるかに優位に立っていると伝えられる。アシアナ航空と大韓航空は世界的な航空専門評価機関や旅行雑誌などが選定する最高の航空会社に選ばれているが、日本の航空会社はランキングに入っていない。

 最近になって、日本の新聞は「韓国企業に学ぼう」という社説を掲載するほど、韓国産業界に注目し始めた。しかし、韓国企業が日本企業を圧倒するためにはまだ克服しなければならない課題が山積している。

 何よりも日本の国民所得は韓国の2倍に達し、産業の礎となる基礎学門能力も日本がはるかに高い。韓日の貿易関連統計をみても「克日」が今後も非常に難しい課題になることが分かる。韓国の対日貿易赤字は上半期に180億7000万ドル(約1兆5417億円)を記録し、過去最高を更新した。日本製の部品・素材に対する依存度が高く、韓国の輸出が増えれば増えるほど、対日貿易赤字が膨らむ構造になっているためだ。

 業界関係者は「韓国が日本に追いつくためには、基幹部品や素材の自立度を画期的に高めることが急務」と指摘している。

Copyright 2010(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0