11月9日、ソウルの日本大使館前で汚染水の海洋放出に反対する市民団体の集会が行われた=(聯合ニュース)
11月9日、ソウルの日本大使館前で汚染水の海洋放出に反対する市民団体の集会が行われた=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】在韓日本大使館の関係者は20日、韓国メディアの記者団に対し、東京電力福島第1原発の処理済み汚染水(日本政府の名称は「処理水」)の海洋放出が決まる場合は韓国など周辺国が安全性を確認できるようモニタリングを行う方針を明らかにした。

 同関係者は「モニタリングを行う方針があり、すべての情報を公開する」と説明。「適切なモニタリング方法を講じ、韓国や周辺国との協議を通じて安心を与えられる方法を取ると思う」と述べた。

 ただ、モニタリングの具体的な方法などは決まっていないとし、「韓国政府の方針は十分認識しており、誠実に対応する」との方針を示した。

 日本政府は福島第1原発の汚染水を多核種除去設備(ALPS)で浄化した処理水を敷地内のタンクに保管しているが、2022年ごろには満杯になる見通しで、海に放出する方針を固めたとされる。

 同関係者は放出の時期について、「断定的には言えないが、2022年には(タンクが)厳しい状況になる」として、「2022年の夏ごろを想定している」と伝えた。

 海洋放出の方針を決定する時期に関しては、「断言はできない」としながらも、年内になる可能性もあると述べた。

 また、汚染水を浄化してもトリチウム(三重水素)を取り除くことは難しいが、放射線の影響は科学的に安全な基準以下になると重ねて強調。「日本の国民もいて、国民の健康や生命を損なう方法を選ぶはずがない」と強調した。

 放出前に周辺国の同意を得なければ国連海洋法条約など国際法に反するとの指摘に関しては「違反ではない」とし、「国際慣行上、すべての国が原発の過程で出る水は海洋放出している」と説明。韓国南東部の慶尚北道・慶州にある月城原発も海洋放出していると反論した。

 ただ、正常に稼働している月城原発の排水と大規模な放射能漏れ事故が起きた福島原発の汚染水を単純比較することは無理があるとの指摘もある。

 在韓日本大使館によると、日本政府は東京駐在の外交団を対象にこれまで100回以上の説明会を行うなどし、国際社会に関連情報を説明している。

 同関係者は「韓国などいといろな国で意見を聴取する場を設けている」として、「韓国政府とは頻繁に連絡を取り合いながら協力している」と述べた。


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