文大統領が14日、青瓦台(韓国大統領府)でテレビ電話で開催された第23次ASEAN+3首脳会議で発言している。(画像提供:wowkorea)
文大統領が14日、青瓦台(韓国大統領府)でテレビ電話で開催された第23次ASEAN+3首脳会議で発言している。(画像提供:wowkorea)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が14日に開かれたASEAN+3首脳会議で日本の菅義偉首相に格別な挨拶をして注目を集めている。

キム・ジンピョ の最新ニュースまとめ

 最近、行き詰った日韓関係の改善に向けた水面下の流れが進んでいることにあいまって、文大統領が関係進展に向けた意志を示したのではないかという憶測が提起されている。

 文大統領はこの日、午後3時30分からテレビ電話で行われたASEAN+3首脳会議に出席した。今回の会議には中国の李克強首相と今年9月に就任した菅首相が参加した。

 文大統領は菅首相の就任を祝う書信と電話通話をしたことはあるが、テレビ電話などを通じて顔を合わせたのは今回が初めてだった。

 文大統領はこの日の冒頭発言で「尊敬する議長、各国首脳の皆様、特に日本の菅首相にお会いできて嬉しいです」と挨拶をした。

 多国間首脳会議の舞台で議長国の首脳などを呼びながら礼遇する場合はあるが、特定国家の首脳を名指ししてあいさつするのは異例のことだ。

 このため、韓国・大統領府内外では菅首相就任を機に、安倍晋三元首相の在任当時、強制徴用など過去の歴史問題で行き詰った日韓関係を解くために、文大統領が積極的なジェスチャーに出たのではないかという見方が出ている。

 これに先立ち9月24日、文大統領は菅首相との初の電話会談で、過去の歴史問題に関して「菅首相就任を機に、強制徴用など両国の懸案解決と疎通に向けた努力を新たな心構えで加速化していこう」と述べ、菅首相は「懸案解決のための対話努力を促していきたい」と答えていた。

 これと関連し、最近、政府はもちろん与党内でも日韓関係の改善に向けた水面下の動きが本格化している。

 朴智元(パク・チウォン)国家情報院長は8日から4日間の日程で日本を訪れて菅首相らと会談し、日韓関係改善に向けた接点探しを図った。朴国政院長は菅首相に会い、“日韓共同宣言”をつなぐ両国首脳間の新たな共同宣言を提案したのはもちろん、韓国政府が年内開催を推進中の日中韓首脳会談に菅首相の出席有無などを調整したとされる。

 一時、日本のメディアを通じて、徐勲(ソ・フン)韓国大統領府国家安保室長の訪日の可能性が取りざたされたが、青瓦台は「事実ではない」と一蹴した。

 韓国の韓日議員連盟の金振杓(キム・ジンピョ)会長と共に民主党議員ら与野党議員7人は日本を訪問し、今月13日に菅首相を表敬訪問した。金議員はこの席で菅首相にソウル訪問の意思を打診し、菅首相は「条件を整えてほしい」と述べたという。

 政界では、このような日韓関係改善に向けた動きが3日に行われた米・大統領選挙で民主党のバイデン氏が当選した後、急ピッチで進められている点に注目している。

 外交界では、同盟を重視するバイデン政府がオバマ政府のように同盟国である日韓の関係改善を要求する可能性が高いと見ている。このため、韓国・大統領府や政府が日本との関係改善にもう少し積極的に乗り出すのではないかという観測が流れている。

 一部では菅首相が自分だけのリーダーシップを確固たるものとにするために安倍元首相と違って日韓首脳間の対話に積極的に乗り出す可能性もある。最近、朴院長や金議員らと会っていることも肯定的な信号と解釈されている証拠だ。

 しかし、日韓関係の進展が加速化するかどうかは、もう少し見守らなければならないという慎重論も少なくない。

 ひとまず、菅首相が日韓関係改善に前向きに乗り出すかどうかがまだ未知数であるためだ。菅首相は金議員らと面談した席で、日韓両国間の先鋭的な問題である強制徴用問題について「韓国側で良い環境を作ってくれる考えを出してほしい」と韓国政府にボールを渡している状態だ。

 韓国政府としても強制徴用問題の解決策を見出すことが容易ではない状況だ。

 実際に文大統領は11日、任鍾ソク(イム・ジョンソク)、鄭義溶(チョン・ウィヨン)ら外交安保分野の特別補佐官および元老らと会った席で、出席者がバイデン氏が日米韓の協力体制を強調して韓国政府に日韓関係の改善を要求するとの見通しを示したことに対し、文大統領は日韓間の最大懸案である強制徴用被害者問題に「被害者の同意と合意が先決条件だが、韓国と日本では両国間に立場の違いがある」という趣旨の言及をして苦心する姿を見せたという。

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