羅承植氏(資料写真)=(聯合ニュース)
羅承植氏(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】日本が昨夏から韓国に対して取っている輸出規制強化の措置を巡り、韓国政府は2日、世界貿易機関(WTO)への提訴の手続きを再開すると発表した。産業通商資源部の羅承植(ナ・スンシク)貿易投資室長は会見で、提訴により「日本の措置の違法性と不当性を客観的に立証し、国際社会に不当性を広く知らせる」と述べた。以下は羅氏との一問一答。――日本による輸出規制には強制徴用訴訟など外交的な事案も絡んでいる。産業通商資源部と外交部、日本側の経済産業省と外務省で「2プラス2」の局長・室長級対話を行う考えは。「現在、輸出管理政策を担当する当局間で議論している。日本は当初、(韓国の)輸出管理制度と関連して輸出規制措置を取った。われわれの判断では、従来も輸出管理制度は正常に、効果的に機能していた。関連制度を改善しただけでなく組織管理も強化したため、日本による輸出規制強化措置のあらゆる条件は解消されたと考える」――紛争解決にかかる期間は。「2国間協議は終わったと考えている。われわれがWTO紛争解決機関にパネル(裁判の一審に相当する紛争処理小委員会)の設置を要請することになる。要請すれば原則として13カ月ほどかかる。紛争の事情によっては短くなったり、長くなったりする」――WTOの紛争解決機能の実効性に対する指摘が出ている。「それだけでなく、WTO上訴機関(上級委員会)の廃止議論もあると承知している。だが現在、加盟国を中心に、上訴機関が廃止される場合の代案としてさまざまなことが検討されている。われわれが(日本政府を)提訴すれば1年以上かかるだろう。今の段階で、そうした状況について前もって判断する必要はない。事実上、WTOの機関を巡る議論を米国が主導しているが、裏を返せばWTOそのものの決定や提訴が非常に重要だという意味になる。提訴によって日本の措置の違法性と不当性を十分に、客観的に立証し、国際社会に(不当性を)広く知らせて共感を得る計画だ」――日本が輸出規制を強化した半導体・ディスプレー材料3品目に対して提訴を再開するのか。「そうだ」――昨年、輸出管理の優遇対象国「グループA(旧ホワイト国)」からの韓国除外についてWTOへの追加提訴を検討していたが、対話再開で提訴手続きが停止された。これに対する提訴は検討していないのか。「今回、パネル設置を要請するのは3品目の輸出制限措置に対するものだ。ホワイト国に関してはあらゆる可能性を念頭に対応を検討中だ」――(韓国側が輸出規制への対応を巡る立場表明を求めたことに対し)日本からの回答は全くなかったのか。「日本からの回答はあったが、われわれが期待したものではなかった。日本側の回答を具体的に公表するのは難しいことをご理解願いたい。対話は継続する計画だ。日本側も対話継続を期待している」――これ以上の2国間協議は必要ないのか。「現在決まっていることはないが、対話を継続する計画だ」――提訴日はいつなのか。「厳密に言えば、パネル設置要請書をWTO紛争解決機関に送る。現在、新型コロナウイルス(の感染拡大)のために開かれていないが、再開され次第、(要請書を)提示する計画だ」――昨年9月と現在では状況が大きく変わった。輸出規制の当初は3品目の需給が厳しかったが、現在は政策的な強化によって需給が安定した。ならば逆に韓国の被害の立証に不利になるのではないか。「昨年12月、(日本は)一部品目について輸出規制を多少緩和した。だが、緩和しても当初の3品目に対する個別許可と変わるところはない。WTOでの紛争解決手続き再開は日本が韓国に対してのみ、それも包括許可を個別許可に変えて輸出制限措置を取っていることの違法性、不当性に対するものだ。日本の措置の違法性を客観的に立証し、さらには輸出許可制度の乱用防止、似たような措置の予防にも効果的だと考えている。また、紛争の過程で日本の措置の不当性に対して国際的な共感を得られるよう期待している。そうした面で、WTOでの紛争解決手続きの再開は意味がある。政府は日本の措置がWTOルールに反していることを立証するため最善を尽くす。さまざまな点に対して状況に合わせて対応していく」
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