13年、差し戻し控訴審での勝訴を喜ぶ徴用被害者ら=(聯合ニュース)
13年、差し戻し控訴審での勝訴を喜ぶ徴用被害者ら=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の大法院(最高裁)は19日、日本による植民地時代に強制徴用された韓国人被害者4人が新日本製鉄(現新日鉄住金)に損害賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審の判決を30日に言い渡すと明らかにした。

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 大法院は同訴訟の主審裁判官である金昭英(キム・ソヨン)大法官が退官する来月2日の前に判決を下すため、特別宣告日を設けたようだ。

 原告4人は1941~43年、新日鉄の前身に当たる日本製鉄側から十分な食事や賃金、技術習得、帰国後の安定した仕事などを保障するなどと懐柔され、日本に渡った。だが、大阪などで自由のないまま過酷な労働を強いられ、賃金も十分に受け取れなかったとして、1人当たり1億ウォン(現在のレートで約1000万円)の支払いを求め、1997年に日本の裁判所に訴訟を起こした。大阪地裁は損害賠償の責任がないとして、原告の訴えを退け、2003年10月に最高裁で原告敗訴が確定した。

 原告4人は2005年、韓国で再び訴訟を起こしたが、一審と二審は「日本の確定判決は韓国でも認められる」と原告敗訴の判決を下した。

 だが、大法院は2012年5月、「日本の判決は日本植民地時代の強制動員そのものを違法と見なしている韓国の憲法の中核的な価値と真っ向から対立する。こうした判決をそのまま承認することは、韓国の善良な風俗やその他の社会秩序に反する」として二審判決を破棄し、ソウル高裁に審理を差し戻した。

 ソウル高裁は2013年7月、「日本の核心軍需業者だった旧日本製鉄は日本政府とともに侵略戦争のため人を動員するなど、反人道的な違法行為を犯した」として、原告に1億ウォンずつ支払うよう命じた。日本企業に対し、強制徴用被害の賠償を命じた初めての判決だった。

 新日鉄側は判決を不服として再上告。大法院は5年以上、判決を下さなかったが、今年7月27日、大法院長と大法官12人全員による合議体で審理を始めた。

 そんな中、朴槿恵(パク・クネ)前政権時の司法当局が青瓦台(大統領府)と共謀し、裁判を遅らせ、訴訟に介入したことが検察の捜査で明らかになった。捜査で見つかった司法側の文書には外交部を通じて海外に派遣する裁判官の数を増やすため、外交部の立場を反映し、外交摩擦が起こる可能性がある強制徴用裁判の判決を遅らせることを検討する内容が盛り込まれていた。

 また、当時の大法官が金淇春(キム・ギチュン)大統領秘書室長と会い、徴用訴訟について議論したことも確認された。


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