ポンペオ米国務長官(左)と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)(資料写真)=(聯合ニュース)
ポンペオ米国務長官(左)と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の海外広報用週刊紙「統一新報」は28日、ポンペオ米国務長官の4回目の訪朝が中止になったことを受け、米国の軍事的行動を非難して朝米(米朝)首脳会談での共同宣言の履行を求める内容の記事を掲載した。

 「対話の裏で刀を研ぐ」と題したこの記事では、米軍の特殊部隊が韓国南部の海軍基地や日本などで対北秘密訓練を行っているとの韓国メディアの報道に言及し、米国が「表では微笑を浮かべて対話を行い、裏では秘密裏に(有事の際に敵の首脳部を排除する)斬首作戦訓練まで強行している」として裏表のある態度を見せていると非難した。

 これは米国の軍事的行動に焦点を合わせたものだが、朝米交渉が事実上膠着(こうちゃく)状態にある中、北朝鮮の不信感と本音を遠回しに表現したものとみられる。

 ただ北朝鮮は、海外向けメディアの性格が強い統一新報では米国の軍事的行動を理由に米国に対する不信感を表明しながらも、北朝鮮指導部の公の立場を代弁する朝鮮労働党機関紙「労働新聞」では非難を控えている。

 労働新聞は27日、米国と中国の貿易摩擦を紹介する形で中国の肩を持つ情勢解説記事を掲載したが、ポンペオ氏の訪朝中止に対する反応は示さなかった。

 北朝鮮のこのような態度は、ポンペオ氏の4回目の訪朝が白紙になり、膠着状態にある朝米交渉が「互いに譲らぬ駆け引き」で突破口が見えない中、いたずらに米国を刺激したり先に交渉を覆したりしたとの口実を与えないようにする意図があるのではないかとの分析が出ている。


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