米輸送機から降ろされる遺骨(写真共同取材団)=27日、平沢(聯合ニュース)
米輸送機から降ろされる遺骨(写真共同取材団)=27日、平沢(聯合ニュース)
【ワシントン聯合ニュース】北朝鮮が朝鮮戦争の休戦協定締結から65年となった27日に同戦争で死亡した米兵の遺骨を米国側に返還したことと関連し、米国務省は「北朝鮮は金銭を要求しなかったし、いかなる金のやりとりもなかった」と明らかにした。ナウアート報道官の名前で30日までに聯合ニュースの書面取材に回答した。

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 北朝鮮は今のところ遺骨返還に関して沈黙を守り、状況を注視している。そうしたなか、北朝鮮が返還に金銭を求めなかったと米政府が明らかにしたことで、朝米(米朝)間の信頼醸成と非核化交渉に弾みがつくかどうかが注目される。

 米輸送機C17は27日、ソウル南方にある米空軍烏山基地から北朝鮮東部・元山に向かい、米兵の遺骨55柱を乗せて同基地に戻った。米国側は烏山基地で遺骨の確認を行い、8月1日に正式な遺骨返還式典を行う。その後、遺骨は身元確認作業のためハワイに移され、朝鮮戦争参戦兵の息子でもあるペンス副大統領がトランプ大統領の指示で遺骨を迎える予定だ。

 米兵の遺骨返還は、6月の朝米首脳会談で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)とトランプ大統領が合意していた。国務省が明らかにした通り、北朝鮮が今回の遺骨返還に対する金銭を要求しなかったとすれば、朝米首脳の合意を積極的に履行する姿勢、最高指導者の果断さを示すため、過去とは違う対応を取ったとみることもできる。また、国連安全保障理事会や米国の対北朝鮮制裁も、遺骨送還に関する現金補償を制約する要因になった可能性もある。

 米国は1990年から2005年にかけて北朝鮮から629柱と推定される遺骨(うち334柱の身元確認済み)の返還を受け、送還などにかかる実費精算の形でおよそ2200万ドル(現在のレートで約24億円)を北朝鮮側に支払ったとされる。


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