【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)が20日発表した統計によると、北朝鮮の昨年の実質国内総生産(GDP)は前年比3.5%減少したと推定された。国際社会による制裁強化に干ばつまでが重なり、成長率は1997年(マイナス6.5%)以来、20年ぶりの低水準となった。昨年の韓国の成長率(プラス3.1%)と比べると6.6ポイント低い。 北朝鮮の成長率は2010年にマイナス0.5%となり、11~14年はプラス1%前後で推移。15年はマイナス1.1%に落ち込んだ。16年にはプラス3.9%に反騰し、1999年(6.1%)以来の高水準となったが、1年で再びマイナス成長に転じた。 韓銀は「実効性が低かった16年の対北制裁に比べ、昨年の制裁は厳しいものだった。加えて気象条件も良くなかったため、北の経済が後退した」と分析している。 国連安全保障理事会は昨年、石炭、鉄鋼、水産物、繊維製品など北朝鮮の主力輸出品の輸出を禁じた。16年には「民生目的」の石炭、鉄鉱石の輸出が一部認められていた。 また、北朝鮮では昨年、穀物の作付けの時期に干ばつに見舞われ、穀物生産量と水力発電量が減少した。北朝鮮経済は水力発電への依存度が高く、発電量の減少は重化学工業の生産不振につながった。 昨年は北朝鮮の主要産業のほとんどがマイナス成長に転じた。農林漁業の成長率は前年のプラス2.5%からマイナス1.3%に、鉱業はプラス8.4%からマイナス11.0%に、製造業はプラス4.8%からマイナス6.9%にそれぞれ落ち込んだ。特に石炭など鉱物の生産量が大きく減り、製造業のうち重化学工業の成長率はマイナス10.4%と20年ぶりの低水準を記録した。サービス業のみが0.5%のプラス成長となった。 昨年の名目GDPを基準に北朝鮮の産業構造を見ると、農林漁業が22.8%、鉱工業が31.8%、サービス業が31.7%を占めた。 また、南北交易を除く北朝鮮の昨年の貿易総額(輸出入の合計)は前年比15.0%減の55億5000万ドル(約6230億円)だった。輸出は37.2%減の17億7000万ドル、輸入は1.8%増の37億8000万ドル。 南北の交易額は前年比99.7%減の90万ドルにとどまった。これは民間による人道支援物資の北朝鮮への搬出分で、交易は事実上「ゼロ」だった。韓国政府が16年に経済制裁の一環で南北経済協力事業・開城工業団地の操業を停止し、政府主導の南北交易は途絶えている。
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