握手を交わす文大統領(右)と安倍首相=9日、平昌(聯合ニュース)
握手を交わす文大統領(右)と安倍首相=9日、平昌(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と平昌冬季五輪の開会式に出席するため韓国を訪れた安倍晋三首相は9日午後、五輪会場近くの竜平リゾートで首脳会談を行った。 文大統領は朴槿恵(パク・クネ)前政権で交わされた旧日本軍の慰安婦問題を巡る日本との合意について、「慰安婦問題が解決されていないという決定は前政権以降、慰安婦被害者らと国民が合意内容を受け入れなかったため」とし、「被害者の名誉と尊厳を回復し、その方々の心の傷が癒えた時に解決される。政府間のやりとりでは解決できない」と話した。その上で、「真の問題解決のために心の尊厳を回復し、治癒されるよう両国政府が努力していくべきだ」との考えを明らかにした。青瓦台(大統領府)の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官が伝えた。 これに対し安倍首相は、慰安婦合意は国と国の合意であり、政権が変わっても守らなければならないというのが国際的な原則とし、日本はこれまで合意を守っており、韓国政府も約束を守らなければならないと強調した。 安倍首相の訪韓は韓中日の3カ国首脳会談が開かれた2015年11月以来で、文政権発足後は初めて。文大統領との会談は17年9月7日、ロシア・ウラジオストクで会って以来となる。首脳会談は3回目となる。 文大統領が昨年末、15年末の慰安婦問題を巡る韓日合意について「この合意で慰安婦問題が解決されないという点を今一度明確にする」と述べて以降、初めて行われる首脳会談で両首脳は互いの立場を確認するにとどまり、悪化した韓日関係は当分改善が難しいものとみられる。 文大統領は「両国が心の通い合う真の友人になることを心から願う」として、「これまで伝えてきたように、歴史を直視しながら総理と共に知恵と力を合わせ、両国の未来志向の協力を推進したい」と述べた。 安倍首相は、北朝鮮が平昌五輪の期間中にも南北対話を行いながら、核・ミサイル開発に注力しているとし、北朝鮮の「ほほ笑み外交」に注意する必要があると指摘した。 これに対し文大統領は「南北対話が非核化をぼやかしたり、国際協力を揺るがしたりするというのは、杞憂(きゆう)に過ぎない」と強調し、「南北対話が非核化につながらなければならない。このような雰囲気を生かせるよう日本も対話に加わってほしい」と要請した。 また「わが政府は『平昌平和五輪』を機に北核問題を解決し、朝鮮半島に恒久的な平和を定着させるための出口を開くために努力している」と述べた。 文大統領は「平昌に続き、2020年に東京五輪、22年には北京冬季五輪が開かれる」とし、「北東アジアで五輪が連続して開催されることには格別な意味があり、韓日中3カ国が五輪のために緊密に協力し、互いに助け合うことで両国関係の発展と3カ国の国民間の友好的な感情の広がりはもちろん、世界人類の平和・和合・共同繁栄に寄与できるよう緊密に協力していくことを希望する」と述べた。 両首脳は金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相(いずれも当時)が発表した「韓日共同宣言」が今年で20周年を迎えることにも触れ、両国の未来指向の発展を明確にする新たな指針を示すことで一致した。 さらに、既に合意したシャトル外交の再開を本格化させることを確認し、韓中日3カ国首脳会談を早期に日本で開催することで一致した。 青瓦台の関係者は記者団に対し、「両首脳が話したかったことを率直に言った場であったことに意味がある」と話した。同関係者によると、会談では合意に基づき設立された慰安婦被害者支援財団「和解・癒やし財団」に日本政府が拠出した10億円の扱いについても触れるなど、自由な意見交換があったという。
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