金正男氏=(聯合ニュースTV)
金正男氏=(聯合ニュースTV)
【ジャカルタ聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアの空港で先月殺害された事件で、共同捜査の要求を拒否された北朝鮮がマレーシアで独自に調査を始めたようだ。 シンガポールのテレビ局チャンネル・ニュース・アジアや地元メディアの21日の報道によると、殺害の実行犯として逮捕され、殺人罪で起訴されたインドネシア人のシティ・アイシャ被告が住んでいたマレーシアのクアラルンプール郊外で先ごろ、店舗を回って同被告の知人を訪ねる北朝鮮要員の姿がとらえられた。地元の美容院店長は「彼らは平壌から来て政治的陰謀を調査していると話していた」と伝えた。 アイシャ被告は最近まで同地でスパマッサージ師として働いており、北朝鮮国籍のリ・ジウ容疑者に「いたずらビデオ」への出演を持ち掛けられて事件に関与したとされる。 北朝鮮による独自調査は、「敵対勢力」が事件をでっち上げたという主張を裏付ける根拠を探すことが狙いのようだ。 北朝鮮はこれまで、正男氏の存在を認めず、死亡したのは「キム・チョル」という名の一般の北朝鮮人だと強弁してきた。また、その死因は「心臓発作」だと主張し、アイシャ被告ら女2人が猛毒の神経剤VXを素手で正男氏の顔に塗りつけ、殺害したとするマレーシア警察の捜査結果は論外だと反発している。 正男氏の殺害事件と北朝鮮内にマレーシア人が足止めされている事態などを解決するための両国間の正式会談を前に、北朝鮮とマレーシアが実務接触を進めていることを踏まえると、北朝鮮の動きは交渉で優位に立つための材料集めとも考えられる。
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